ソフトバンク・柳田悠岐【写真:藤浦一都】

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復帰2試合目は最後に交代も「筑後のリハビリより楽しい」

 28日の日本シリーズの初戦。ソフトバンクの柳田悠岐が1番・センターでスタメン出場。2安打2打点を記録し、3度の出塁を果たすなど1番打者として十分な仕事を果たした。

 前日の監督会見でのこと。DeNAのラミレス監督は自軍のキーマンとして1番打者の桑原将志を挙げたが、実際に初戦のキーマンとなったのは相手チームの1番打者だった。柳田は初回の第1打席でセンター前に安打を放つと、今宮健太の犠打で二塁に進み、デスパイネのタイムリーで先制のホームを踏んだ。

「(打球が)いいところに落ちました。健太がしっかり送ってくれて、デスパが還してくれた」という柳田は、第2打席も身体をかすめる死球で出塁。さらに5回の第4打席では2死満塁から2点タイムリーと大活躍。「自分のスイングをしようということだけを考えました。結果はたまたまです」と、いつもどおりに謙遜気味というか、そっけないというか、とにかくギータらしい受け答えだ。

 また、右脇腹が万全ではないと言われる中での出場に「普通に10割(の力)で振っていました。なかなか芯には当たらなかったけど、痛みが出なかったのはよかったです」と、完全復活を思わせるコメントも飛び出した。

 工藤公康監督も柳田の1番起用について「長打もあるし、足もあるから(攻撃の)バリエーションが増える」とご満悦。柳田自身は1番について「何番でも一緒です。打席が多く回ってくるから大変ですけど」と話す。敵将のお株を奪うような柳田のリードオフマン起用は、第2戦以降も相手に大きな警戒心をもたらすことだろう。

 この日は9回の守備から退き、フル出場はならなかったが柳田は「筑後のリハビリより試合はやっぱ楽しいです」と笑った。以前から「野球は打って走って守ってナンボ」という柳田が楽しくプレーを続ける限り、ソフトバンクの強さに陰りが見えることはないだろう。(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)