BBCが日本の若者のセックスレスを特集 海外視聴者からは「社畜にとって愛は価値がない」「アニメの見過ぎ」という声
英BBCが7月、日本の若者のセックス離れをテーマにした「Sexless in Japan」という動画を公開した。アニメの影響で異性に興味がない若者が増えている、という内容で、フェイスブック上などで300万回以上も再生され、海外ネットユーザーから多数の反響が寄せられている。
動画では、18〜34歳のうち43%の人が性経験がなく、64%は交際相手がいないという調査結果を紹介し、「なぜ日本人はセックスすることをやめたのか」と問いかけた。
24歳女性「セックスは自分にとって必要なものだと思わない」
BBCの取材を受けたお笑い芸人、あの松井さん(26)は「傷つきたくない」と話す。
「ずっと昔から女の子にモテなくて、女の子に告白とかはしたんですけど、振られちゃって自信がなくなった」 「僕みたいな人は結構いますね。女性を怖い存在だと思っているんです。傷つきたくないんです。それで趣味やアニメ・漫画に逃げてしまうのが僕らみたいな人種」
アーティストのろくでなし子さんは、「人間関係というのは一から築いていかないといけない。女の子をデートに誘うとか気を遣うじゃないですか。そういうのが面倒くさい」とコメントした。
動画に登場した24歳女性も「性欲より食欲、睡眠欲の方が大きい。自分にとって(セックスは)必要なものだと思わない」と語る。全体的に、他人との深い関係性を拒絶する日本の若者たち、という構成になっている。
「いずれ世界の他の地域もこの問題に直面するだろう」という声も
海外の視聴者の中には、アニメやポルノがセックスレスを引き起こしているというBBCの結論について、「(日本人の男性は)きわどいアニメや漫画の見過ぎだ」と書き込む人もいた。
また、日本人は会社に滅私奉公しているというイメージが強いのか、「会社への隷属に基づいた日本では、愛は追及する価値のあるものではないんだ」という書き込みも寄せられていた。
あの松井さんが「傷つきたくない」と語ったことに対して、女性からは「拒絶されることを怖がっているなんて、13歳の子どもなの?誰でも拒否されることはある」といった厳しい声もあった。日本の若者は繊細すぎる、と感じた人もいるようだ。
しかし、BBCの報道には不正確な点もある。動画を日本語で紹介したBBC NEWS JAPANの記事によると、日本の若者の4割は性経験がない、というデータは国立社会保障・人口問題研究所が2015年に実施した「第15回出生動向基本調査」が出典になっている。
同調査によると、性経験がないと答えたのは18〜34歳の未婚男性の42%、未婚女性の44.2%に上る。また異性と交際したことがないと答えた18〜34歳の未婚男性は69.8%、未婚女性では59.1%だった。あくまでも未婚の男女に限った話であり、BBCの紹介の仕方は誤解を招きかねない。
ただ、動画を見た人からは「日本人は賢いのだ」と評価する声も出ていた。
「セックスと生殖は原始的な動物の本能によるもの。人間はそこから進化すべきだ」
セックスレスは今後、他の国にも広がるのではないかという意見もあった。
「いずれ世界の他の地域もこの問題に直面するだろう。セックスレスは日本の文化よりも、インターネット文化と関係がある。若者は現実から切り離されて、現実の関係を築けなくなっているんだ」
また「いずれ男性は性欲から自由になれる。インターネットが男性を自由にする。女性も男性がいなくても生きていけるようになり、男性から好かれなくてもよくなった」とセックスレスの風潮を評価する人もいた。