日本ウェルネスvs豊南
近藤（日本ウェルネス）
日本ウェルネスと豊南は、秋も一次予選の代表決定戦で対戦している。この時は11対6で日本ウェルネスが勝利したものの、豊南も食らいついた印象のある試合だった。
春は一次予選を勝ち抜き、本大会に出場した豊南は、再び日本ウェルネスと対戦したが、今回は日本ウェルネスの強さが目立った。
豊南は、秋投げていた岩井隆之介が投げられる状態でなく、背番号8の千田大輔が先発した。千田は緩急をつけて日本ウェルネスの攻撃をかわそうとするが、1回表、2番・山田悠介がしっかり溜めて引っ張り、ライト柵越えの本塁打を放ち、1点を先制する。
「ホームランは打たれましたが、その後きちっと終われば良かったのですが…」と、豊南の清家大監督が言うように、1点だけなら傷は浅かった。
しかし4番・倉林勇斗を四球で歩かせた後、5番・森健太の左前安打で二死一、二塁とし、先発投手でもある6番・近藤海勢の浅い左前安打で二塁走者の倉林が一気に生還。さらに左翼手からの送球を捕手がはじく間に、走者は二、三塁に進んだ。次の並木海弥への初球が暴投になり、森健も生還し、初回に3点が入った。
日本ウェルネスの先発・近藤海は、秋は背番号1ながら、この春は18。「もう少しレベルアップしてほしい。お灸と希望を込めての18です」と美齊津忠也監督は言う。
1回裏豊南は、先発投手でもある1番・千田の打球は右翼へのライナー。これを日本ウェルネスの右翼手・石岡威吹が背走して好捕した。このプレーで近藤海は、勢いづく。
千田（豊南）
2回裏こそ、豊南の4番・若梅斗夢の左前安打、6番・古川玲遠の三塁内野安打などで二死一、三塁とすると、一塁走者の古川がわざと挟まれる間に若梅が本塁を陥れ1点を失ったものの、後は全く危なげない内容。7回まで、毎回の奪三振10を記録。打たれた安打も、2回の2本と4回二死からの1本だけだった。
日本ウェルネスは打っては、2回表に8番・山口裕也の左中間を破る三塁打などで1点。3回からリリーフ登板した豊南の2番手・三室雄万が踏ん張ったものの、6回表にも山口の三塁打で1点を追加すると、7回表には山田の二塁打など4本の安打を集め日本ウェルネスが2点を追加する。
8回表には、山口のこの日3本目となる三塁打や山田の前の打席に続く二塁打など、安打4本で4点を入れる。その裏登板した美齊津航が、古川に安打を許したものの、奪三振2の無失点に抑え、11対1でコールドが成立。
日本ウェルネスは先発の近藤海が7回を被安打3、奪三振10の自責点0の好投。美齊津も1回を被安打1、奪三振2の無失点に抑える。打っては毎回安打、先発全員安打の17安打。特に2番・山田は本塁打に二塁打2本。8番・山口は三塁打3本の大活躍であった。
それでも美齊津監督は、相手の走塁に対応できず1点を失うなど、ミスもあっただけに、「まだまだです」と気を引き締める。昨年の春はベスト16に進み。初めて夏のシード校になったが、この春に関しては、「一つでも多く勝って経験を積ませたいです」と、美齊津監督は語る。
一方敗れた豊南の清家監督は、大敗に厳しい表情で、「ピッチャーの差ですね」と、敗因を語る。完敗ではあったが、希望がないわけではない。清家監督は「当てにはいかなかった」と語るように、三振の多さは、積極的に攻めた結果でもある。大敗もまた、夏に向かっての良い経験にしてほしい。
（取材・写真＝編集部）
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