東京、神奈川の京浜地区で、「一国(いちこく)」と呼ばれている国道があります。国道1号と思いきや、別の道路を指しています。

国道1号ではない「一国」の正体とは?

 東京、神奈川の京浜地区で、「一国(いちこく)」と呼ばれる道路があります。国道1号の呼び名と思いきや、地元では国道15号を指す言葉です。その15号は、東京の日本橋を起点とし、品川駅前や川崎市内を経て、横浜市神奈川区の青木橋交差点に至る国道です。

品川駅前を通る国道15号(写真:photolibrary)。

 一方、国道1号も、15号より山側を通る形で京浜地区を縦断しています。なぜこのようなややこしい状況になったのでしょうか。国土交通省東京国道事務所に聞きました。

――国道15号が「一国」と呼ばれることがあるのはなぜでしょうか。

 国道15号は通りの名前を「第一京浜」といい、これはかつて「第一京浜国道」と呼ばれていたことに由来します。「一国」とは、国道番号に基づく呼び名ではなく、この「第一京浜国道」を略したものだと思います。なお、(京浜地区における)国道1号の通りの名前は「第二京浜」です。

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 国道15号はかつて国道1号の一部で、現在の国道1号「第二京浜」は、第一京浜国道のバイパス「第二京浜国道」として建設されたものです。京浜地区では、国道1号をこうした理由から「二国」と呼ぶことがあり、さらにややこしいことになっています。

【地図】国道15号と国道1号の位置

京浜地区では、国道1号は国道15号の山側を通る(国土地理院の地図を加工。国道1号については記事に関連する箇所のみ図示)。