甲子園注目投手！藤平、�眦帖∋�島と左右のプロ注目投手が集結！
8月7日にいよいよ第98回全国高等学校野球選手権が開幕する。そんな今年はドラフト上位候補、指名候補と言われる投手が多数集結！これほどの投手が揃った大会もそうはない。注目投手のどこを注目すればよいのかを紹介したい。
ドラフト上位候補がずらり！スケール抜群の大型右腕たち上から 藤平 尚真（横浜）、�眦� 萌生（創志学園）
まず注目なのが横浜のエース・藤平 尚真（関連記事）。最速152キロのストレートとキレ味鋭いスライダー、フォークを織り交ぜ、制球力も安定。さらに完投能力もあり、完成度の高さは今年の高校生右腕ではトップレベル。ドラフト1位候補として名前をあげる球団も出てきた。そんな藤平の見所は、ここぞという場面で投げ込む左打者へのスライダーとフォークだ。
130キロ近い球速で左打者の懐へ投げ込むスライダーのキレ味の鋭さに、打者は腰が引き気味になり、力のないスイングで空振りを奪う。また130キロを超えることもあるフォークも武器。藤平と対戦した打者に藤平のフォークについて聞くと、「あれは消えます」と表現するように打者の手元で急激に落ちる軌道だ。
藤平の神奈川大会の投球を振り返ると、準々決勝の横浜隼人戦、決勝の慶應義塾戦で3失点しており、内容としては物足りない。この2試合は制球が不安定だったり、投球が単調になるときがあった。それさえなくなれば、攻略困難の投手になることは間違いない。
創志学園のエース・�眦� 萌生（関連記事）は、岡山大会準々決勝で最速154キロを計測したように、ストレートはますます凄味が増している。またスライダーの精度も高くなり、空振りを奪えるレベルまでに成長。さらにカーブを上手く使い分け、緩急と横の変化をしっかりと使える投手となっている。そんな�眦弔琉貳屬量ノ呂魯好肇譟璽函３鯵僂愿蠅欧觧�にマックスのストレートを投げ込む。�眦弔鮓�る時は、2ストライクと追い込んで捕手が外角へ構えた時が見所だ。その時は「剛速球が見れるかもしれない」と思って注目してほしい。�眦弔蓮�日本一の投手、そして侍ジャパン入りを目指している。この甲子園の舞台で、今年の高校生右腕は�眦弔半斂世任�る投球を見せられるか。
この�眦弔吠造峅椎柔�があるのが今井 達也（作新学院）。この夏、最速149キロまで伸ばした快速球右腕である。180センチ72キロと細身の体型だが、テークバックの動きを見ると内回りの旋回をしていきながら、トップを作り、一気に振りだす腕の振りの鋭さが最大の魅力で、打者の手元で一気に伸び上がるようなストレートはまさに絶品。将来的には150キロ超えも期待できる投手で、同じ腕の振りから投げ込むスライダー、カーブのキレも良い。これまで不安定なピッチングが多く、登板機会もあまり多くなかったが、最終学年になってようやく制球力も安定してきた。
さらにストレートのスピード、変化球のキレ味も増して、一気にドラフト上位候補と注目される投手となった。決勝戦では、自己最速の149キロのストレートを武器に2.1回を投げて、5奪三振と圧巻の投球を見せている。作新学院で高卒プロとなれば、かなり久々。甲子園で自分のピッチングを披露できるか要注目だ。
[page_break:大物感たっぷりのアドゥワ誠]大物感たっぷりのアドゥワ誠アドゥワ 誠（松山聖陵）
そして1年から期待されてきた大型右腕・アドゥワ 誠（松山聖陵）も聖地・甲子園へ乗り込む。196センチ86キロという体格は、大会出場投手の中でも最もスケールがある。最速145キロのストレート、キレのあるスライダー、落差が鋭いチェンジアップを武器に曲者が多い愛媛県の強豪たちを抑えてきた。愛媛大会では常時135キロ〜140キロ前後、最速143キロにとどまり、物足りなさを感じるところはあるが、それでもこの長身から振り下ろすストレートは、135キロでもとても角度を感じる。まだ余力を感じさせる投手であり、このまま球速が10キロ〜15キロ伸びたら凄い投手になるだろうと想像をしながら、この投手を見守っていただきたい。
東邦のエース・藤嶋 健人（関連記事）も二季連続甲子園出場を果たした。経験豊富なだけあり、投球が上手い。135キロ〜140キロのストレートを両サイドへ投げ分け、スライダー、カットボール、カーブと多彩な変化球を織り交ぜ打ち取る投球内容は、高校生のレベルを超えている。そんな藤嶋はピンチでの気合満点のピッチングに注目だ。打ち取ったときの藤嶋の雄叫びは、思わず見ている側も声を出してしまう。それぐらい藤嶋の投球には感情移入させるような熱いものがある。また打者としても注目の藤嶋。投打で大暴れを見せてほしい。
下級生の時からドラフト候補として注目されてきた本格派右腕・京山 将弥（近江）も滋賀大会決勝戦で完封。2年生の春以来の甲子園出場を決めた。故障や制球難に苦しむことが多かったが、この夏で見事に復活。183センチの長身から繰り出す常時140キロ台・最速145キロのストレートは手元で伸びがあり、ピッチングの内容を見ても、変化球を上手く使い分ける。甲子園の投球次第ではもっと評価を高めそうだ。
[page_break:登板が見逃せない逸材揃いの左腕たち]登板が見逃せない逸材揃いの左腕たち上から 寺島 成輝（履正社）と高橋 昂也（花咲徳栄）
今年の左腕は逸材が揃っている。ここで名前を挙げた高校生左腕たちはプロ志望届けを出せば指名される可能性は高いだろう。その中でドラフト1位候補に挙がるのが寺島 成輝（履正社＜関連記事＞）である。最速149キロのストレートは威力十分。ただ力で押すのではなく、両サイド・高め・低めへと投げ分け、さらにスライダー、カーブ、縦系の変化球のキレ味も鋭い。すべてにおいて優秀な投手だが、一番の武器は右打者のインコースへ投げ込むクロスファイヤー。キャパ全快で投げ込むストレートは高校生ということを忘れさせる投手だ。
そして寺島同様、ドラフト1位候補に浮上した高橋 昂也（花咲徳栄）は、春先まで登板が少なかったが、この夏に完全復活。大会では最速149キロを計測するなど、力のある投球を見せ、5回戦の滑川総合戦では、6回を投げて14奪三振、さらに1人も走者を許さないという驚異的なピッチングを披露したが、この投手の一番の注目は、外角高めのストレート。右打者、左打者ともにこのコースに来るストレートが一番勢いがあるのだ。高めのストレートで空振り三振を奪う投球には多くの方が爽快感を感じるはずだ。そのコースで打ち取れるためには、内角、あるいは変化球の制球力が大事になるが、高橋の場合、カーブ、スライダー、チェンジアップも両サイドと低めへしっかりと投げられていた。
埼玉大会のピッチングができれば、全国の高校野球ファンを熱狂させることは間違いない。
この2人と平均球速がほぼ同じなのが、堀 瑞輝（広島新庄）だ。昨年は140キロ前後、キレのあるスライダーが持ち味の投手だったが、広島大会決勝戦では、常時140キロ〜147キロで、最速147キロを何度も連発。そのストレートはまさに、大学・社会人選手とひけをとらないもので、プロ入りした先輩・田口 麗斗（巨人）の高校時代より上といえるだろう。昨年からの変身ぶりを見逃すな！
選抜ベスト8左腕の早川 隆久（木更津総合＜関連記事＞）は千葉大会登板6試合中、5試合で完投勝利を挙げ優勝に貢献。選抜に比べて球速が上がり、コンスタントに140キロを計測するまでにレベルアップ。ストライク先行のピッチングで投球を組み立て、スライダー、チェンジアップ、カーブを低めに集め、ここ一番ではコースギリギリのところへ投げ込んで打ち取る。その投球術はまるで高校生とは思えない。早川を見るポイントはピンチの時のマウンド上の冷静な佇まい。なぜここまで冷静になれるのか？と驚くぐらい落ち着いている。ぜひ早川の表情にも注目していただきたい。
鈴木 昭汰（常総学院）は春先と比べると、ストレートのキレが増してきた。も寺島や高橋と比べると球速表示では劣るところはあるが、しっかりとストレートで勝負できる力強さがあり、スライダー、シュートなどキレ味も鋭く、簡単に失点を与えない投手だ。投球を見ると、巧みな投手という印象を受けるが、マウンド上ではなかなか熱いところがあり、マウンド上の表情の変化も必見である。
また履正社では寺島を取り上げたが、二番手の山口 裕次郎も、プロ注目の大型左腕。左スリークォーターから投げ込む直球は常時140キロ前後・最速145キロのストレートは威力十分。キレのあるスライダー、カーブで相手打者をねじ伏せる。まだ変化球の制球が甘いのが課題だが、高めに決まるストレートは思わず唸らされる。伸びしろたっぷりの逸材だ。
ここまでプロ注目の投手たちを紹介してきた。次回はドラフト候補になるかもしれない逸材、また大会を盛り上げるであろう好投手たちを紹介していきたい。
（文・河嶋 宗一）
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