イタリア代表は2日のEURO2016準々決勝で、世界王者ドイツにPK戦の末に敗れた。激闘の末に準決勝進出を逃した試合後、テレビのインタビューでDFアンドレア・バルザーリが見せた男泣きがイタリア国民の心を揺さぶっている。

大会前に「史上最弱」「最もタレントがいないアッズーリ」などと揶揄されたイタリアだが、初戦で優勝候補の一角ベルギーに快勝すると、決勝トーナメント1回戦でも王者スペインを撃破。主要大会で負けたことがないというドイツとの準々決勝に臨んだ。

だが、相手は2年前のワールドカップを制した世界王者。後半、イタリアは先制点を許してしまう。それでも、相手のハンドで得たPKをDFレオナルド・ボヌッチが決めて追いつくと、延長戦でもドイツにゴール許さず、勝負の行方をPK戦へと持ち込んだ。

両チームとも最初の5人のうち3人が失敗という予想外の展開となった運命のPK戦、イタリアは9人目のDFマッテオ・ダルミアンが失敗し、健闘むなしくベスト8敗退という結果に終わった。

試合後、イタリア『Rai』のインタビューに現れたバルザーリは、まず何を思うかと聞かれると「落胆だ」と失意あらわ。「僕らは本当にすべてを出した。残念ながら、残ったのは敗北だ。僕らがやってきた素晴らしいことのすべては、何も残らないと思う。敗退してしまったら…」と述べると、「すいません」と謝りながらも泣き出した。


バルザーリは必死に涙を抑えつつ、「残るのは失望だけだ。結局は誰も、すべてを出し尽くしたこの代表チームの何も思い出したりしないだろう。残念だ」と悔しさをあらわにした。

インタビュアーが「でもアンドレア、とても素晴らしいプライドを…」と慰めようとすると、バルザーリは「そうだね…本当に、(このメンバーと)一緒にいたいと願っていたんだ。だから、残念だ」と、声を震わせながら締めくくっている。