ネイティブ・アメリカンの衣装とメイクでステージに立つ元WANSの上杉昇

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90年代に彗星のごとく現れ、ミリオンヒットを連発しつつも、表舞台から突如姿を消した真相をセキララに語った元WANDS・上杉昇の衝撃インタビュー!

■「WANDS」とはなんだったのか?

驚きを隠せない読者も少なくないだろう。

ロン毛でシュッとしたイケメンだったJ−POPの人気ボーカリストが今、“クレイジー”とも形容できるネイティブ・アメリカンの衣装とメイクでステージに立っているのだから…。元「WANS(ワンズ)」のボーカリスト、上杉昇(しょう)である。

『もっと強く抱きしめたなら』『時の扉』『世界が終るまでは…』ーー1991年にデビューし、これらのミリオンセラーを連発したWANDSを覚えている方も多いはず。

だが、イケイケのトップアーティストだったにもかかわらず、上杉は人気絶頂の1997年、突如、WANDSを脱退。程なくしてメジャーシーンからも姿を消していくことになるのだ。

WANDSのデビューから今年で25年ーー。

現在はソロアーティストとしての活動と「猫騙(ねこだまし)」というバンドの活動を並行して行なっているという上杉に、WANDS脱退の真相やその後の紆余曲折(うよきょくせつ)、そして現在のバンドでネイティブ・アメリカンスタイルを貫く意味など、率直な質問をぶつけてみた。

■やらされていた“アイドル時代”

―まずデビュー25周年を迎えられた心境は?

上杉 正直、気づけば25年という感じで、あまりピンときてなくて。世間の皆さんからすると、たぶん自分は今でも“WANDSの上杉”なんでしょうけど、WANDSなんて実質4年ちょっとしかやっていないんですよね。

―10代でデビューして、あっという間にスターダムに駆け上がったわけですよね。ぶっちゃけ、調子に乗っちゃってた時期もあるのでは?(笑)

上杉 当時は、中身はどこにでもいる19歳や20歳の子供でしたしね(苦笑)。でも調子に乗っていたかというと、そうでもなくて。もう“時効”だから言いますけど、自分の中でWANDSは“やらされてる感”がすごくありましたから。

―“やらされてる感”?

上杉 WANDSの音楽性が自分に合ってなかった。それはもう最初から。僕は洋楽なら「GUNS N’ ROSES」ど真ん中の世代だし、日本のバンドなら「LOUDNESS」に憧れて音楽やっていたクチだったから、デビューする前はファッションもゴリゴリで。鼻と耳のピアスをチェーンでつないでたような見た目だったわけですよ。

―デビュー前のオーディション時もそういった風貌で?

上杉 もちろん。で、オーディションに受かって、プロデューサーからは「ロックバンドでデビューさせてやる」って言われてたから、自分のロッカーとしての道が開けた…と思って飛びついたんですけど、フタを開けてみたら、ロックはロックでもデジタル系のポップ路線で…。まさか鼻ピにチェーンつけてたような男に『もっと強く抱きしめたなら』みたいな爽やかな曲を歌わせるなんて思ってもみなかったから(苦笑)。

だから「話が違うだろ」って気持ちはWANDSの最初からあった。あの“アイドル時代”を振り返ると「自分がやりたいのはコレじゃなかったのに」って気持ちがやっぱり強い。

―“アイドル時代”(笑)。まさか自身でWANDS当時をそんなふうに揶揄(やゆ)するとは。

上杉 世間に浸透してしまった“上杉昇”のイメージと自分の本質は全然違うのにって、歯がゆさがありましたね。ただ、WANDSにいた自分の全部を否定してたわけでもないですけどね。作詞した歌が世の中で高く評価してもらえたのは、それはそれで嬉しかったので。

―しかし、本当にやりたい音楽を押し殺し続けることはできたんですか?

上杉 いや、さすがにずっとはムリでした。『世界が終るまでは…』の次に出したシングルが『Secret Night〜It’s My Treat〜』という曲で、これは最初、WANDS用に作られた曲じゃなかったんです。けど、初めて曲を聴いた時、「これだ!」って思って。

プロデューサーにどうしてもこの曲を歌いたいって直談判して、初めてワガママを押し通したって感じでしたね。それに、それから出したシングル2曲は作詞だけじゃなくて作曲もメンバー内でやらせてもらえて。少しずつですけど、自分のやりたい音楽をやれてたって感覚だったんですよ。

―確かに『Secret Night〜It’s My Treat〜』を含む、上杉さんが脱退されるまでの3作のシングル曲は、従来のWANDSとは違うオルタナティブロックを感じさせる楽曲でした。

上杉 実は、結果的にラストシングルになった曲の、その次のシングル曲の候補もあったんです。ただ、プロデューサーが持ってきたその曲は、元のポップ路線だったんで…これはもう、僕はWANDSにはいられないなって。

◆この続きは、明日配信予定! 脱退から約20年、ネイティブ・アメリカンスタイルを貫く意味、まだ壊れていない!と語る、その生きざまとは…。

 

●上杉昇(WESUGI SHOW) 1972年5月24日生まれ、44歳。神奈川県横須賀市出身。1991年、WANDSのボーカリストとしてデビュー。すべての楽曲の作詞を担当するなどフロントマンとして活躍するが、1997年に脱退。以後、バンド活動やソロ活動に邁進

(取材・文/昌谷大介(A4studio) 撮影/下城英悟)