ポスティングによるメジャー移籍を目指す前田健太【写真:編集部】

写真拡大

前田の制球力は「特筆すべきスキル」、変化球は「最高の財産」

 ポスティングによるメジャー移籍を目指すことが決まり、日本時間10日夜に交渉解禁となった広島の前田健太。米国内でも連日のように各球団の獲得の動向が報じられる中、MLB公式サイトの動画や画像を特集する「Cut4」で日本人右腕を特集。切れ味鋭いチェンジアップなどに焦点を当てている。

 FA市場で目玉とされていた大物投手が次々と大型契約を手にする中、前田もオフのストーブリーグで大きな注目のようだ。記事では移籍市場を賑わす大物到来に期待を寄せ、今季広島で15勝8敗、防御率2・09、175奪三振で最多勝に輝いた右腕について「需要は高い」と高く評価。これまで積み上げてきた安定した成績にも着目している。

 また、前田の武器は制球力と分析し、「前田がこれまで成功を収めているからといって、豪速球を求めてはいけない。直球は通常88マイルから92マイルでだが、必要な場合には95マイルまで上げる能力を持っている。彼の最も特筆すべきスキルは4シームと2シームの制球にある。昨季9回平均1・8個しか四球を出さなかった」と言及。

 変化球についても「最高の財産」とし、「12時から6時方向に落ちるカーブに加え、前田のチェンジアップは落ちて、急降下し、(バットから)ささっと逃げる。(右バッターの)内角に大きく動く。まるでプレートに向かう途中にパンクしたタイヤのようだ。バッグス・バニー・チェンジとニックネームをつけるにふさわしい」と称賛している。

フィールディングも絶賛、「必要としないチームは存在しない」

 チェンジアップの軌道は、アメリカで人気のアニメキャラクター「バッグス・バニー」が野球を行うエピソードからの1シーンにたとえられており、2013年のWBCでキューバのヤシエル・プイグ外野手(現ドジャース)を空振り三振に奪った一球の動画も紹介。「(前田には)スライダーもある。今までに見たことのないような動きではないかもしれないが、彼は催眠術師のようにボールを操る。そして、そのボールで相手は勝手に騙されてしまう」と伝えている。

 前田の守備能力にも注目し、「バッターに当てられても前田は準備ができている。彼は申し分のない野球選手だ。どんなピッチャー返しにも対応できるほどの反射神経を持っている」と評している。

「エースではないかもしれないが、球団の中核に前田のようなピッチャーを必要としないチームはどこにも存在しない」

 そう高評価を受けている前田。交渉期間は米東部時間の来年1月8日午後5時(日本時間同9日午前7時)まで。本命とされたダイヤモンドバックス等の撤退が伝えられる中、どれほどの球団が入札し、好条件を提示するのか。前田の去就から目が離せない。