生活に密着した産業の投資、育成、コンサルティングを行う21LADY(トゥエニーワンレイディ)<3346>は、経営破綻した「洋菓子のヒロタ」を3年かけて建て直し、今年7月に再生手続きを終えた。広野道子社長は「年功序列や男性優位の企業文化を廃し、女性が活躍できる場が生活産業にはある」と話す。同社の今後の展開などについて広野社長に聞いた。

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――前期(05年3月期)の業績は?

 連結売上高が37億円だった。若干マイナスだったのは、ヒロタの民事再生処理を3年間やってきたから。工場の買い取りなど、前期に全て終了したので、これからは成長モード。今後もブランド再生事業で、民事再生を申し立てた会社を買収する可能性があるが、その場合、一時的にヒロタ再生時と同様の費用が発生することを(株主には)承知してもらいたい。

 一時的に費用をかけ、再生させた後は、その会社が上場することはもちろん、当社自体の価値を高めるシナジー効果のある事業に必ずなると確信している。

――今期(06年3月期)の業績予想と今後の方針は?

 今期の業績は連結で売上げ40億、経常利益は約2億円を予想している。現在3ブランドの事業を展開しており、今後ブランドを増やせばこの数字に変化がある。

 今後5年間の目標は、3つの事業のシナジー効果を生かして、外食・中食・小売・サービスの4つの分野でチェーン展開している会社や、生活スタイルに貢献するような会社をグループ化し、5年間で10ブランドを持つことを理想としている。それで連結で1000億円ぐらいの事業になっていくことが当社の中期的な目標。

――どのような形での社会貢献を考えていますか?

 人口の半分は女性。これまでは製造業や大企業が中心で、女性がマネジメントにかかわる機会が少なかった。しかし、ベンチャーや中小企業なら、女性や、男性でも若い人が、会社を伸ばすことができる。それを実践していく人たちを育てていくという考えを持っている。

 人口の半分である女性に、きちんとしたスタイルで働いてもらいたい。どんな世代でも、十分に長期的なビジョンで仕事をできる環境が整ったと思う。

 チェーンストアを育成するときに女性の力は絶対に欠かせない。日本のGDPの6割の280兆円を占める生活産業という、一般消費者がモノを買ったりサービスを受けたりする分野で、意思決定権の80%は女性が持っている。女性が消費者としてそれだけの決定権を持っているのであれば、マネジメントとしても活躍できる分野がたくさんあるはず。

 例えば、百貨店やスーパーマーケットなど小売の業界を見ると、もっと女性がマネジメントで活躍し、消費者の視点で事業を見れば、さまざまなやり方がある。再成長する余地は十分にあると思う。

 一生懸命、徹底的に中期的なビジョンで仕事をしたい人にとって、明るい時代になったと思う。女性や若い世代の人たちも活躍できる時代になった。そういう時代の流れを実現できる企業グループであることが、当社のビジョンであり、社会貢献の一番のポイントです。【了】



【会社概要】
商号トゥエニーワンレイディ(21LADY)株式会社

設立

2000年3月
上場2004年10月(セントレックス上場:証券コード 3346)
資本金7億7163万円
売上高36億9500万円(05年3月期連結)
代表取締役社長広野道子(ひろの・みちこ)
従業員数114人(05年3月末)
本社東京都千代田区二番町5−5 番町フィフスビル5階
電話番号03-3556-2121(代表)
URL http://www.21lady.com/


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