「三銃士」に続く「二十年後」のようだ。ただ、ここでの主役は4人ではなく、6人。ギャリーとフィルのネヴィル兄弟、ポール・スコールズ、ニッキー・バット、ライアン・ギグス、そしてデイビッド・ベッカムだ。ミッションは、「マンチェスター・ユナイテッドを救え」である。

マンUはプレミアリーグで7位につけており、先日もマンチェスター・シティとのダービーでホームにもかかわらず0−3と黒星。勝ち点15差をつけられており、首位チェルシーには勝ち点18差だ。

サポーターは怒りを見せており、本拠地オールド・トラフォードの上空を飛んで「(デイビッド・)モイーズ、出ていけ」と示すための飛行機を借り、募金を集めなければいけないほどだった。そして、前述の6人もカタールで資金を集め、かつての黄金期に戻すべく、クラブを買い取るというのだ。

6人はマンUがあらゆるタイトルを獲得した「花の92年組」。その中でまだ現役なのはギグスのみだ。その彼らが再び一緒になって、リスタートすることを望んでいるという。

理論上は、マンUの現在の戦力は昨季と同じだが、実際には“残骸”となっている。アレックス・ファーガソン監督の後任となれば、誰であっても押しつぶされる恐れはあったが、そのファーガソン氏に対する不満の声も高まっている。ビッグネームではなく、一線級ではない指揮官を選んだと批判されているのだ。

サポーターは2005年のクラブ買収以降、オーナーのグレイザー・ファミリーを好んでこなかった。サッカーに興味はなく、ビジネスのためにクラブを使っていると批判している。そのグレイザー・ファミリーは、「花の92年組」がクラブを買い取るのなら、そのビジネスに成功するかもしれない。

チーム状態にもかかわらず、マンUの株価は上がり続けている。「花の92年組」がクラブ買収に関心を抱いていると報じた『サン』によると、グレイザー・ファミリーは以前からクラブ売却を望んでおり、良いオファーを待っているそうだ。