中国政府・国家統計局の元副局長で、現在は中央財経大学統計学院の学長を務める賀鏗氏が、中国版ツイッターの微博(ウェイボー)で、広州で外国公館が共同で慈善バザーを開催したことを「中国人の顔をつぶそうとしている!」、「本当に恥知らずなのはあいつらだ」とつぶやいたところ、非難の大合唱を浴びせかけられることになった。中国新聞社が報じた。

 広東省広州市の各国公館が、「中国の障害を持つ児童を支援する」目的で、バザーを開催した。33万元(約438万円)の売り上げがあったという。ただし、売り上げの中からはかなりの量の「偽札」が見つかった。

 賀氏は「外国の領事館がこの手のことをするのは、中国人の顔をつぶす下心があるからだ。中国人が持つ金が33万元少なくなった。33万元はそもそも、中国人の金だった。私は、本当に恥知らずなのはバザーをやっている者だと考える」などと書き込んだ。

 賀氏の同「つぶやき」は大きな波紋となった。賛否両論が集まったが、賀氏を強烈に非難する人が目立つようになった。罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせかける書き込みが次々に寄せられた。

 賀氏は、自分のページが“炎上”したことなどを挙げ、ページの閉鎖を宣言した。ただし賀氏は複数のページを持っており、「閉鎖は早くから決めていた。体力がもたないからだ。それ以外の事情は、あまり関係ありません」と書き込んだページもある。

 中国では、賀氏の主張とは別に、ページが“炎上”を問題視する声が出た。経済評論家の張彬氏は「賀氏の言論にも不適切な部分があった」と論じる一方で、同ケースだけではなく、中国におけるインターネットの書き込みでは「非理性的な罵(ののし)りと攻撃が多い」、「言論の暴力がのさばっている」と批判した。

 張氏は、「ネット上の言論の暴力」を抑制するためには「まずは、ひとりひとりの民度の向上」が必要と主張した。暴力的な表現や攻撃があった場合には、「多くのユーザーがたしなめる態度が必要」という。

 また、社会的に地位がある政府関係者や芸能人、オピニオンリーダー、業界専門家は、社会のエネルギーをプラスの方向に導くよう努めねばならないとの考えを示した。(編集担当:如月隼人)