コージ・ウエハラとマイク・アダムスがレンジャーズにいるのは、同じ理由だ。トレード締切を控えて、ブルペンはアップグレードが必要だった。そしてジョン・ダニエルズGMは、球界でもっとも優秀なセットアップマン二人を獲得した。

アダムスはテキサス生まれで、育ったのもテキサス、大学もテキサスで、住んでいるのもテキサスだ。だから彼は、ウエハラよりもこの新しい環境に、馴染みがある。ウエハラは、日本の大阪生まれだ。火曜日、彼にダラス・フォートワースエリアについて知っていることを教えて、と質問したとき、彼は笑顔で通訳を通して答えた。「暑い。それしか知らない」 その時彼は、カウボーイやジェリー・ジョーンズについて何も言わなかった。

彼は、地球の反対側から新しいチームに合流したが孤独ではない。彼はレンジャーズ唯一の日本人投手では無い。彼はレンジャーズで、東海大仰星高校を卒業した唯一の人間ではないのだ。デトロイトの、コメリカ・パークのクラブハウスで、彼らのロッカーは並んでいた。ウエハラが左側、ヨシノリ・タテヤマが右側だ。

彼らは10代の頃からの友人なのだ。

「彼は、スーパーエースだったんだ」当時外野手だったウエハラは言った。「僕はダグアウトから、彼を応援していた」

ウエハラとタテヤマ、今は二人ともスーパーエースだ。そしてユゥ・ダルビッシュ。もし彼ら三人が来年、レンジャーズに揃えば、テキサスにはありそうにない日本に親しみやすい雰囲気をつくることができると思っている。

ダルビッシュは日本球界で一番注目されている選手で、北海道日本ハム・ファイターズで投手を務める24才のスーパースターだ。今シーズン終了後、ファイターズはダルビッシュをメジャーリーグに送り出すと広く信じられている。もしそうなれば、それは2007年にダイスケ・マツザカがレッドソックスに入団したとき以上の一大センセーションを、2012年に巻き起こすだろう。

それには、二つの理由がある。一つはダルビッシュは、Dice-Kより良い投手であること。もうひとつは、私たちのほとんどは、5年前にツイッターを利用していなかった事だ。

ダルビッシュがフリーエージェントになるには、まだ時間がかかる。しかしファイターズは、ポスティングシステムで彼の移籍を可能にするだろう。MLBチームが入札により、彼との交渉権を獲得するのだ。それを獲得すれば30日間でダルビッシュと契約できる。もしどちらかが、契約に納得いかなければ、ファイターズは、ダルビッシュを残すことができる。しかしポスティングフィーは、失うことになる。

2012年か2013年にそうなれば、ダルビッシュは、アメリカかカナダに来ることができるのだ。 最近目立った活躍が無いMLBの日本人選手のために。4年前のMLBオールスターゲームには、MVPを取ったイチロー・スズキを含めた3人の日本人選手が出場した。先月のミッドサマークラッシクは、ここ11年で初めて一人の日本人選手もいなかった。

37才のイチローは、シアトルの選手として最悪のシーズンを過ごしている。彼の連続200安打は、危機に瀕している。ヒデキ・マツイも下り坂だ。マツザカは、肘のトミー・ジョン手術を受け、シーズンを離れている。彼が再びレッドソックスで投げるかは疑問だ。

ダルビッシュは比較的短時間で、もっとも人気がある現役日本人選手になる可能性がある。

長年日本人スターは、シアトル、サンフランシスコ、ロスアンジェルス、ニューヨークなどの強いアジアコミュニティがある沿岸都市に引き寄せられている。しかしレンジャーズには、ダルビッシュを真剣に取りに行くためのいくつかの理由がある。

最初に、レンジャーズがダルビッシュに興味があるなら、プロセスを踏む必要がある。他の方法は無いのだ。もしレンジャーズが交渉権を得られたら、ダルビッシュと彼の代理人(アーン・テレムとダン・ノムラ)は、西海岸の球団からのオファーを受けられなくなる。ポスティングシステムは、レンジャーズに独占交渉権を与えるのだ。打者に有利な球場のため、レンジャーズはここ数年アメリカのフリーエージェントの投手たちを引きつけることに苦労している。昨冬クリフ・リーを引き止められなかったのも、それが理由の一つだ。