「規定打席」というステイタスMLB編|野球史

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プロ野球のレギュラー野手とは、端的にいえば「規定打席に達した」選手の事だろう。規定打席とは、試合数×3.1以上の打席数に立った打者。 MLBでは毎年、投手も含めて1200人ほどが打席に立つが、このうち規定打席に達するのは140人。一球団で4〜5人。これがそのまま中心選手、レギュラーだと言って良いだろう。

MLBでこの規定打席を昨年まで5年連続でクリアした選手は何人くらいいるのか、調べて各選手のトータルの数字を出してみた。

34人いた。投手を除く野手(DH)のレギュラーの枠は254あるが、このいずれかを5年続けて守り通した選手は13%に過ぎないのだ。実力に加えて、怪我、故障がないことが前提になる。そうそうたる顔ぶれが並んでいる。

ウラジミール・ゲレーロやエイドリアン・ベルトレ、デービッド・オルティーズ、アラミス・ラミレスのように1年だけ達しなかった選手は結構いる。しかしその1年をクリアできるかどうかが難しいのだ。

その中で抜群の成績はやはりプホルズ。OBP、AVG、SLG、OPS、RCとすべての指標でトップである。そして打率では僅差の2位にイチロー、安打数はトップ。本塁打と打点はハワード、さらに四球と三振はアダム・ダン。ダンは打率は最下位だが、IsoDはトップでイチローよりもOBPが高い。平均塁打(TB/H)もトップの2.08。これこそ際立つ個性と言えよう。

またホリデー、アブレイユ、タシェアラ、テハダなどはチームをまたぎながら規定打席をクリアした年がある。これこそ「どこへ行ってもレギュラー」という証明だ。

では、10年連続で規定打席に達した選手は何人いるか?

ちょうど10人いた。この10人こそ、正真正銘の一流選手だと言って良いだろう。プホルズ、イチロー、ジーター、A-RODの4人は既に殿堂入りが取りざたされているが、それ以下に、プロとしてしぶとく生き残っている顔ぶれが並んでいるのも興味深い。数字的には大したことがなくても、とにかくレギュラーで生き残る。これも一流選手なのだと思う。