今季限りで契約満了を迎える選手を9人抱えるミランは、これらの選手たちとの契約延長について話すのは春を待ってからと決めている。であれば、マーケットが騒がしくなるものだ。特に注目されるのは、MFアンドレア・ピルロである。

スペインのメディア(『カデナ・セール』)は、ピルロに対するバレンシアとアトレティコ・マドリーの関心を報じた。さらに騒がれるのが、バルセロナやレアル・マドリーへの移籍話だ。ペップ・グアルディオラ監督とジョゼ・モウリーニョ監督は、以前からピルロを評価しているからである。

また、彼の獲得を望むチームには、プレミアリーグのビッグクラブもおり、その筆頭がロベルト・マンチーニ監督のマンチェスター・シティだ。

だが、イタリア国内にも注意しなければいけない。移籍金ゼロでピルロを獲得できるとなれば、ユヴェントスやインテルの食欲をそそらないわけがないだろう。また、カルロ・アンチェロッティ監督がローマへ戻ってくれば、ローマ移籍という選択肢も具体化してくる。いずれにしても、ピルロに関してはオープンな状況なのだ。

つい先日、ミランのアドリアーノ・ガッリアーニ代表取締役は、ピルロの代理人であるトゥッリオ・ティンティ氏と会談した。だが、今のミランはあらゆる目標を目指しており、クラブはすべての選手を同じように扱うことに決めている。

今後2カ月でサプライズが潜んでいるかもしれない。ミランはそのことを自覚している。だが今が、ピルロに関心を寄せるすべてのクラブにとって、シーズンにおけるデリケートな時期であることも事実だ。例えば、各クラブの指揮官の今後の運命によるところも大きいだろう。

そして、金銭的なこともある。今のピルロの報酬は、基本500万ユーロ(約5億7000万円)の年俸に、2つの特別ボーナスがつけられている。ミランがチャンピオンズリーグ本戦出場権を獲得した場合に100万ユーロ(約1億1000万円)、スクデットを獲得すればさらに100万ユーロだ。つまり、最大で700万ユーロ(約7億9000万円)ということである。すべてのクラブの手に負える金額ではない。