中国では1990年代ごろから、改革開放の本格化にともない外国の事物を急速に取り込んだ関係で、外来語を大量に翻訳する必要が生じた。「お見事」と思える名訳もあるが、自動車レースで用いられる用語の「フォーミュラ」を「方程式」と訳すなどの“珍訳”もある。

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 中国では1990年代ごろから、改革開放の本格化にともない外国の事物を急速に取り込んだ関係で、外来語を大量に翻訳する必要が生じた。「お見事」と思える名訳もあるが、自動車レースで用いられる用語の「フォーミュラ」を「方程式」と訳すなどの“珍訳”もある。

 写真は25日に始まった京東網上商城カップの「中国方程式レース」が行われた北京金港国際自動車レース場で撮影。“お決まり”のレース・クイーンがセクシーさを競った。

 自動車レースの用語である「フォーミュラ(Formula)」は、「車輪とドライバーが露出している」という「規格」の意。中国ではFormulaのもうひとつの意味である「方程式」が訳語となった。

 近代化にともなう欧米語の訳語創出で、「先輩格」なのは日本。中国の古典を利用して、新しい意味を付与した「和製漢語」の訳語も多い。たとえば、「中華人民共和国」のうち、「人民」と「共和国」は、日本人が考案した「訳語」が中国でも使われるようになった。

 ただし、日本では戦後、欧米語を「カタカナ表記」して使うことが一般的になり、中国は独自に多くの訳語を考案することになった。「天然ガス」を「天然気」、「センター」を「中心」としたなどの例がある。

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◆解説◆ 誤訳がそのまま定着した例は、日本にもある。国名の「アメリカ合衆国」、数学用語の「有理数」などだ。United States(州の連合)」の部分を「合衆国」としたが、字義にもとづけば本来は「合州国」とすべきだった。「有理数」は「Rational Numbers」の訳語。「Rational」には「理性ある」の意味もあるが、この場合は「Ratio(比)」の形容詞型。原義は「2つの整数による分数であらわせる数」なので「有比数」などとすべきだった。

 中国では2005年ごろから、専門家が相次いで「現在、われわれが使っている単語の多くは、日本人が考案した欧米語の訳語」とする文章を発表し、一般の人々にも少しずつ知られるようになった。(編集担当:如月隼人)



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