試合開始は日本のペースだった。平均年齢25歳代で、欧州組不在の若い韓国代表はミスも多く、ラフプレーが続いた。

そして、23分日本が遠藤のPKで先制後、負傷した大久保に代わり香川が出場。徐々に日本のプレスをかいくぐる韓国に日本の動きがぎこちなく見えた。そして、32分韓国がPKで同点に追い付く。その後もプレスを交わしながら韓国がボールを繋ぎ、ペナルティエリア外で放たれたミドルシュートが中澤にあたり、逆転ゴールを許してしまう。

「相手がロングボールを蹴ってくるのは情報としてわかっていたので、そのセカンドボールを一発でやられないように注意していた」と語る遠藤は、「決めれられた2点以外は(日本が)ゲームを支配できていたと思う。2点目は味方に当たるというアンラッキーな面もあったが、1−1で終えたかった」と前半を振り返った。

 前半41分に闘莉王が退場すると、後半開始早々に香川に代わり岩政を投入。闘莉王の退場に対しての選手起用は難しい判断だったに違いない。とは言え、1点のリードを守る韓国が守備を固めることも想定できる。1点を追いかけるだけでなく、日本が優勝するのためにはあと3点が必要という状況を考えると、前線の選手を減らす決断は平凡過ぎるようにも思えた。前半だけでも3枚のイエローカードを受けていた韓国が退場者を出す可能性も低くはないのだから。

「ハーフタイムはフォーメーションの確認と諦めないということ。戦術面に大きな変化はなく、どちらかと言えば、気持ちを盛り上げるような感じだった」と遠藤は話した。

 後半7分、キム・ジョンウが2枚目の警告を受け退場。11分に韓国はFWに代わり中盤の選手を投入。17分ピッチに送り込まれたイ・グノ以外の選手は自陣に綺麗なラインを作り、守備固めが整う。

 もちろん日本の攻撃時間は長くなる。しかし、相変わらずパスを繋ぐだけで、最後のところで跳ね返されてしまう。右サイドを使った攻撃の形もあったが、攻め急ぐ気持ちが強いのか、ミスもありカウンター攻撃を受ける場面もあった。

 そして、後半25分、右サイドを崩されて、中央に出されたパスを決められて1−3とさらに点差を空けられてしまう。日本は残り10分になり、玉田に代わり佐藤と投入するが、攻撃のリズムが変わることもなく、さらに運動量が落ちてしまい、得点を奪うことができないまま試合は終了した。

 優勝を目指し、挑んだ大会だったが、3位という不甲斐ない結果で終わってしまった。
「我々は点を取るために人をかけるということをやっている。後半の途中から前に人が足りなくなったという感じを受けた。ボランチとストッパー、サイドバックが、相手がゾーンを作っている外にいる時間がちょっと長かったかなと。もう1枚、ゴール前に入っていかないと日本の場合、なかなか点は取れないと考えております」と岡田監督は試合後に語ったが、彼はFWとFWを交代させただけだった。

 それにしても、単調な攻撃は本当にお粗末だった。引いた相手を崩すために「何をすべきか?」というアイディアがない。1タッチでパスを繋ぐ、サイドへ開く以外の打開策がなかった。ドリブルやミドルシュート、ロングパス、タメを作ってリズムを変える、中央で1対1の勝負をしかけるなど、チャレンジできることはあったのではないか?

「最後の精度、動き出しなりすべてにおいて向上していくこと、やり方を変える必要はないと思う。ペナルティエリアの付近に行けば、ボールを持っている人のアイディアと周りがそれを感じてあげられるかということ。土台はしっかりとできていると思うので、上でどういう飾り付けをするかだと思うので、それをひとりひとりが持っているものを輝かせていければいいと思う。それをどれだけ多く出せるか。ひとりひとりの特長を出して行けば」