6月30日は国家公務員の夏のボーナス支給日である。厳しい経済情勢を受けて、今年は大幅な削減を受けたが、ボーナスゼロのところも多い民間企業から見れば、うらやましい限りであろう。
公務員にボーナスは要らないという極論もあるのだが、単にゼロにすればよいというものではない。
市民も当の公務員も納得できる形で、解消していくことが望ましい。

公務員のボーナスは、正確には「期末手当」と「勤勉手当」という2つの手当の合算額である。ここでいう「勤勉」とは上司が査定した結果ではなく、単に欠勤がないことを意味するので、事実上働いても働かなくてももらえるボーナスの額は同じだ。

民間企業にとってのボーナスが「報奨金」であるのに対して、公務員のボーナスは特に官公労の主張するところによれば「生活費」なのである。官公労は毎月の給料にせよ、残業手当にせよ、勤勉手当(ボーナス)にせよ、労働者の生活費であると考えている。

こういう「生活保護的」な発想が支配的であるため、公務員には「価値の創造」という観念がほとんどない。
働いても働かなくてもボーナスも給料ももらえるのであるから、積極的に行政的な価値を創造しようとする意欲が乏しく、昔ながらの公務員の悪弊「休まず遅れず働かず」をやっていれば、生活には困らないのである。

こうした状況を改善するには、ボーナスに査定制度を設けることである。一方的に上司の査定によるだけでは、「査定する人を誰が査定するのか」という問題が生じるので、職員の業務成果自己申告制度を導入し、成果ごとにポイントが加算される仕組みを作って、その結果をボーナスに反映させることが必要だ。

たとえば、「行政の合理化に積極的な貢献をした」「Excelを最大限活用して有益な資料を作成した」「市民サービスにおいて、大いに満足を与えることが出来た」「クレーマーに対して毅然とした態度で応じて、行政的均衡を守った」などで、自分のもらえるボーナスを極力客観的に査定してもらうことである。

そして、ボーナスは組織ごとに総枠を決めて、自己申告による予算の取り合いをやってもらうべきだろう。与えられた仕事しかやっていない職員はボーナスゼロでも結構。大いに成果を出した職員には多くのボーナスを与えるべきである。

そして、行政の合理化に貢献した職員は、当然残業がなくなって定時に帰れるようになるはずだから、ボーナスは支給して残業手当は一律カットをすることが望ましい。

こうして、総人件費を抑制していけば、国家財政の逼迫に対して、幾ばくかの貢献はできるだろう。

あとは、官公庁職員の相当数を占める「夫婦公務員」のもらう多額の世帯収入をどうするかである。家庭の事情を斟酌して、転勤についても配慮されている夫婦公務員は、どんどん転勤させて、どちらか一方が退職しない限り一つ屋根の下には住めないよう、厳しい態度で人事を行うべきである。
(TechinsightJapan編集部 石桁寛二)

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