――本編の後に出てくるメイキングがとてもインパクトがあったのですが、これを入れられた理由を教えてください。

プラッチャヤー・ピンゲーオ監督:自分がジャッキー・チェンの映画を観るときにすごく楽しみにしていたのが、最後のNGシーンだったので自分の映画にも入れたいと思いました。そして、メイキングを見せることによって「こんなに撮影って大変だったんだな」って観客に伝えられると思ったからです。

――本編鑑賞後にお楽しみはまだまだ続くと。

プラッチャヤー・ピンゲーオ監督:ただ、1つ残念なことがあって、実は阿部さんが撮影中にケガをしてしまったんですが、その瞬間の撮影が出来なかったんです。そのケガで阿部さんの顔も腫れてしまったので、有名なスターの方にケガをさせた、と、日本が怒りに来るんじゃないかと本当に驚いて、呆然とし、撮り忘れてしまったんです。

――それは大変なアクシデントでしたね。

阿部寛:本当はオランダと韓国のプロのボクサーの方にボコボコに殴られるっていうシーンがあったんです。でももちろん演技のプロではないので、オランダの選手が殺陣になれていなくて僕に当たってしまったんです。2回当たって、強力なキックだったので、大きく腫れてしまいました。後日、1年半後にそのシーンは日本刀のシーンにさしかえたいということになり、もう1度来てくれないかと言われました。そのことにすごく感動したんです。期間を経ても撮影したいというアクションへのこだわりを感じて、嬉しかったです。

――最後に、これから「チョコレート・ファイター」をご覧になる方にメッセージをお願いします。

プラッチャヤー・ピンゲーオ監督:私自身が日本のファンで、日本の俳優さん、日本の文化を取り扱った映画を撮れたことを誇りに思っています。タイではとてもヒットしたのですが、日本でいつ上映できるかと長く待っていました。今とても楽しみにしています。阿部さんの日本刀のアクションを、どうぞ楽しみにしていてくださいね。

阿部寛: CGで作る映像が多い今の時代の中で、リアルファイトをここまで撮れる映画って無いと思います。この映画は手作りで、“リアル”にこだわっていて、そこが見所だと思うし。監督やスタッフ、他のキャストの方の1つ1つのシーンをすごくこだわってやっている姿を見て、日本人の俳優としてそういう現場って見習うべきだなって思いました。他のアクション映画とは一線を画したものだからぜひ皆さんに観ていただきたいと思いますね。

「チョコレート・ファイター」ストーリー

アクションのビデオを見ただけで、その技を習得できるという並外れた能力を持つ美少女ゼン("ジージャー")。そんなゼンに突然の不幸が訪れる。最愛の母 が末期の白血病に侵されていることが発覚したのだ。ゼンは母から全てを奪ったマフィアと闘うため、自ら身体を張って抗争に挑む。しかしそこには生き別れに なっていた父マサシ(阿部寛)との再会が待っていた…。

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