家庭の中心は子どもで、親は子どものためには何でもするのが当然というのが中国社会なので、子どもも親が自分のためにすべてを犠牲にするのを当たり前だと思っているのだという。(イメージ写真提供:123RF)

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 わが子に対する愛情というのは世界共通だが、その表現の仕方は日本と中国とでは異なっているようだ。そのためか、中国の親からすると日本の親は楽に見えるらしい。中国メディアの捜狐は11日、「日本の家庭と比べたら、中国の親はどうしてこんなに大変なのか」と題する記事を掲載し、日本と中国の家庭に対する概念の違いを分析した。

 では、典型的な中国の「家庭に対する概念」とはどんなものだろうか。記事は、「相互依存の関係」と指摘している。家庭の中心は子どもで、親は子どものためには何でもするのが当然というのが中国社会なので、子どもも親が自分のためにすべてを犠牲にするのを当たり前だと思っているのだという。

 中国の親の言う「何でも」というのも、日本人の理解の範疇を超えている場合が多い。例えば、子どもの将来のために一番良い教育を受けさせるのは親の責任だと考えているため、エリート校のある学区に家を買い、大学受験には会場入り口まで付き添い、卒業となれば仕事を用意し、結婚相手を見つけ、車はもちろん家まで買い与える。孫が生まれれば「祖父母として当然の責任」として孫の面倒をみる。このすべてを「責任」の一言で片づけてしまうので、子どもからは感謝されるどころか当然と思われ、逆にそれができない親は「罪人」になってしまう、とゆがんだ親子関係を紹介している。

 では、日本の親子関係はどう違うのだろうか。記事は、一定の距離感を保っているので「親は楽」だと指摘している。特に「お金と時間」の2つがはっきりしていると分析。お金を出してあげて当たり前、出してもらって当たり前という関係性ではなく、親子の間でもお金の貸し借りはきっちりと記録する。子どもは親の時間を奪わないために孫の面倒をみてもらうこともしない。だからと言って希薄な関係でもなく、プレゼントを贈ったりおかずを作ってあげたりするなど良好な関係であることを意外そうに伝えた。

 これは、社会や文化の違いが多分に表れていると言えるだろう。記事は、どちらが良いとは一概には言えないとしながらも、親が何でもお膳立てしまう中国の教育を疑問視し、子ども自身に頑張らせるのも悪いことではないはずだと呼びかけている。日本では、可愛い子には旅をさせよということわざが実践できていると言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)