30日に行われるワールドカップ壮行試合、ガーナ戦はいろいろと見所が多い試合になりました。試すべきことが多いのです。

26日から西野朗監督のトレーニングが始まり、日本代表は「3-4-3」システムを試しています。まずはこのシステムが機能し可能性があるか見極める必要があります。

僕はこの「3-4-3」に取り組んでいることはポジティブに考えています。いろいろな相手に対するとき、システムのバリエーションを増やさなければいけないのは前回のブラジルワールドカップで得た教訓です。

また「3-4-3」と言いながら、3バックの中央の長谷部誠をボランチの位置まで押し上げ、4バックに変化させることもできるでしょう。相手を引き出してワナに嵌めるために「5-4-1」という形にも変えることができます。

柔軟にシステムを変更するのは西野監督の得意とするところです。1996年アトランタ五輪のとき、ブラジルに対してはマンツーマンでチェックするなどの対策を練りました。その効果があったから、勝つことができたのです。

問題はワールドカップまでに間に合うかという話ですが、両サイドの酒井宏樹はマルセイユで、長友はインテルで3バックを経験済みです。その意味では不安は少し減るでしょう。ただし、それでも今回のガーナ戦では細かく問題点を洗い出さなければいけません。

ケガ人の回復状態です。試したいが、ケガで100パーセントの状態ではない選手をどこまで使うか。試合でケガが悪化すれば本大会は無理です。特に23人の構想に入っているとすればなおさら試せないことも考えられます。試すべきか、試すにしても何分使うのか。西野監督にとって悩みどころです。

それから見所の一つにボランチがあります。長谷部がDFラインに入ると、経験のあるボランチは山口蛍だけになります。だからこそ青山敏弘を招集したのでしょうが、その青山が負傷ということで、代わりの選手が注目されます。「ボールが奪えてパスも出せる選手」として信頼を得る選手は誰になるでしょうか。

ガーナ戦は勝敗が問題ではありません。チェックがしっかり行えること。そうすれば負けたとしてもワールドカップに向けていい準備になったと言えるのです。