ノジマステラとの開幕戦、ボランチでフル出場したMF猶本【写真:Football ZONE web】

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ノジマステラ戦で2点目の起点となる活躍も「今日は最低限くらい」と厳しい自己評価

 なでしこリーグ(日本女子サッカーリーグ)の2018シーズンが3月21日に開幕。

 1部浦和レッズレディースは本拠地でノジマステラ神奈川相模原を迎え撃ち、2-0と開幕戦白星スタートを切った。ボランチでフル出場したMF猶本光は、2点目の起点となるなど存在感を示したが、「むしろそれしか考えていなかった」と守備のスイッチ役としての役割に比重を置いていたことを明かした。

 試合前から雪が降った影響でピッチが滑りやすいなか、浦和Lは前半16分に相手ペナルティーエリア内でこぼれ球を拾ったMF吉良知夏のスライディングシュートで先制。徐々にボールを握ると、同20分にはポジションを上げた猶本がFW安藤梢にスルーパスを通し、シュートがポストにはね返ったところをキャプテンのMF柴田華絵が押し込んでリードを2点に広げた。

 この日ボランチでコンビを組んだ新加入のMF佐々木繭が守備的な仕事を引き受けることで、前半は猶本が積極的に高い位置を取って攻撃参加していた。二人の中で明確な決め事はしていないようで、現時点では「自分が前に行く形に自然になっている」という。

 しかし、佐々木は守備だけでなく、テクニックを生かした攻撃参加も得意とする選手。連携に関して猶本は、「まだまだできると思う。今日は最低限くらい」と厳しい自己評価を下し、「お互い上手くポジションをとってやれば、もう少し繭さんの良さを出せる。状況に応じて繭さんの方がゴールに近ければ上がっていくべきだと思います」と臨機応変に縦関係を築いていくイメージを語った。

守備のスイッチ役としての仕事を意識

 実際、ノジマステラに押し込まれた後半は、猶本が随所に球際で体を張り、ボールを奪って攻守を切り替えるシーンが何度か見受けられた。守備面に話が及ぶと、「FWを生かす、あるいは繭さんを生かすための守備と声出しに8割とか、むしろ試合中はそれしか考えていないくらいのイメージでした」と言及。守備のスイッチ役としての高い意識を明かしている。

 なでしこジャパン(日本女子代表)に招集されている猶本は、中2日の24日にリーグ第2節(日体大FIELDS横浜)を戦い、その後は代表に合流して4月1日に親善試合ガーナ戦、そして6日からは2019年の女子ワールドカップ(W杯)フランス大会の出場権を懸けたアジアカップに挑む。

「レッズと代表では求められることが少し違う。代表でのプレーもできるようにチャレンジしつつ、レッズではゴールに向かうパワーを出していくのを忘れないように、バランスよくやっていきたいですね。(スケジュールは)大変ですけど、コンディションを崩さないようにしたいと思います」

 攻守で進化を遂げようとしている猶本の2018年から、目が離せなくなりそうだ。(小田智史(Football ZONE web編集部) / Tomofumi Oda)