当日販売分を用意した家電量販店も、発売から数時間で在庫切れとなった「Nintendo Switch」。次回の入荷は未定

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ついに発売された新型ゲーム機「Nintendo Switch」。

基本は据え置き型ながら外に持ち出して遊べる携帯ゲーム機にもなる点が話題となり、発売日には長蛇の列ができた家電量販店もある。 

そんな大注目のSwitchの今後について、三菱UFJグループエコノミストの片岡剛士(ごうし)氏が予測する!

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今後「Switch」は大ヒットするか。一ゲーマーでもある私の見解ですが、まず注目したいのは今年1月、「Switch」が発表された直後に任天堂の株価が急落したことです。

任天堂はこれまで「ファミコン」や「Wii」などで新しい遊びのスタイルを提供してきた企業。ですから、期待値がかなり高かったのかもしれませんが、「Switch」はそんな投資家たちが求める革新的な機能や遊び方、例えば、iPhoneとつなげてゲームできるといった機能を予感できなかったことがその要因でしょう。

一方、「PS」シリーズや「Xbox」シリーズなど他メーカーのハードは、スペックをどれだけ上げるかというベクトルで進化してきました。

ですが、すでにグラフィックの進化では限界を迎えており、今後はどうやって新しい遊び方を提案できるかがポイントになってくるので、任天堂の方向性は決して間違っていないと思います。

ただ、やはりインパクトは薄かったかな、と。とはいえ、今の「Switch」の“粗さ”は“伸びしろ”とも考えられます。「Switch」は「Wii U」の失敗を生かし、据え置き型と携帯型のシームレス性をさらに突き詰めたものになっていますが、この要素をさらに磨き上げてもらいたいですね。

私自身は通勤の電車内で、立ちながら携帯ゲーム機で遊んでいるんです。まぁ私ほどでなくても、今の30代、40代の方々が、家で腰を据えてゲームをするのは、ライフスタイル的になかなか難しいので、電車内でプレイする人も少なくないですよね。

けれど、今の「Switch」は「3DS LL」や「PS Vita」より大きいので、電車の中で遊ぶにはちょっと勇気がいるかな(笑)。ですから今後はユーザーのニーズを基に小型サイズの改良版を出すなどすると、今はまだ琴線に触れていない層も取り込めるでしょう。

今までと同じことを続けていると「Switch」も撃沈してしまうかもしれません。しかし、任天堂は失敗を糧(かて)に新しいブームを何度もつくってきた企業。私は「Switch」が「Wii」を超える大ヒットゲーム機になると固く信じています。

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(取材・文/週プレ「Switch」特捜班)

●片岡剛士(かたおか・ごうし)

三菱UFJリサーチ&コンサルティング経済政策部上席主任研究員。大のゲーム好きで、『ファイアーエムブレム』をこよなく愛する