Facebook、動画の視聴維持率を評価対象とするアルゴリズムに変更へ。中でも「長尺動画」ほど上位に表示

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Facebookでは、動画が音声ありやフルスクリーンで視聴されたか、どれだけの長さを視聴されたか、あるいはライブ配信か否か、などの複数の要素によって動画コンテンツの価値を評価し、ニュースフィード上の表示順位を決めています。

このたび、視聴の長さに関しては視聴時間ではなく「視聴維持率(どこまで視聴したか)」を評価対象にすることが発表されました。尺に関わらず、ユーザーが動画を最後(または最後の近く)まで視聴した場合はそのコンテンツを楽しんだと判断できるため、ということです。

さらには、視聴維持率の高い「長尺動画」をより高く評価することも明らかにしています。気軽に視聴できる短尺動画に比べ、長尺動画の方がユーザーのコミットメントが大きいため、その“重み”を正しく評価しようという考え方です。例えば、30秒の動画と、3分の動画がいずれも50%の視聴維持率だった場合は、3分動画の方がフィード上で優位ということになります。

ただし「長尺動画」がどれくらいの長さを指しているのか、具体的には定義されていません。Facebookは無条件に長尺動画を推奨するわけではなく、あくまでもコンテンツや訴求するストーリーに応じて最適な尺にすることが重要であると強調しています。

この新しいアルゴリズムは、今後数週間のうちに徐々に展開されていくとのことです。適用後は、ニュースフィードに流れてくる長尺動画が“わずかに”増加し、短尺動画は“わずかに”減少する可能性があるとFacebookは述べています。

なお、本アルゴリズムの対象となるのはオーガニック動画のみで、ライブ配信した動画をアーカイブして投稿したものや、「おすすめ動画」も含まれるようです(参考)。
一方、動画広告の配信には影響がないとのことです。

今回のアップデートの背景には、Facebookのマネタイズ戦略が見えてきます。現在準備中と言われるミッドロール広告(90秒以上の動画において、開始20秒後以降に挿入される動画広告)の在庫を増やすために、これまでよりも長尺動画が視聴されやすい環境を作り出そうとしている狙いがうかがえます。

Facebook上で配信する動画は、最初の数秒のインパクトでユーザーの興味を引くことが重要だと言われていますが、今後はインサイト(効果測定)データも研究しながら、いかに長く視聴してもらうかといった点も意識したコンテンツ企画が求められていきそうです。