愛する息子に里親を見つけて逝った父(出典:http://metro.co.uk)

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何を置いても息子を優先してきた父親。父ひとり子ひとりという状況で2人は互いに支え合い、いろんなことを乗り越えて来たに違いない。しかし、がんと宣告され自分の命がいくばくも無いと知った時、シングルファーザーの父がしたことは、息子のために新しい里親を見つけることだった。愛する息子へのベストを尽くし力尽きた父のニュースが英紙『Metro』ら複数のメディアが伝えている。

英コーンウォールのフォックスホールに住んでいた二ック・ローズさん(40歳)は、9か月前に鎖骨にしこりがあることに気付いた。医師に骨肉腫と診断された彼は、化学療法を受け治療をしてきた。

二ックさんは4歳になるローガン君をひとりで育てており、愛する息子を残して旅立つという最悪な結果にならないためにも、何とかして治療でがんを克服したいという強い思いがあったに違いない。

しかし、ニックさんはがんに打ち勝つことはできなかった。あっという間に骨や肺に転移し、がんが存在する部位周辺から感染症を起こしたために化学療法は中止せざるを得なくなってしまったのだ。

余命わずかと悟ったニックさんが最期までこだわったのが、ローガン君に里親を見つけることだった。自分が居なくなっても幼い息子が寂しい思いをしないようにと、ニックさんは痛みを堪えながらも息子のために全力を尽くした。その甲斐あって里親が見つかり、現在ローガン君はデヴォン州トーキーで里親の家族と共に新しい生活を始めているという。

闘病中のニックさんをそばで支えてきた近しい友人であるアーロン・クロンプトンさん(24歳)は、「二ックは、何よりもローガン君のことを最優先して生きてきました。亡くなる前は壮絶な痛みと闘いながらも、ローガン君のことを気にかけていたんです。彼にとって息子は自分の人生そのものでした」と話している。

アーロンさんによると、ローガン君を産んだ母親はほとんどそばにいることは無かったという。しかし母親の代わりに二ックさんは息子を愛し、支え、大切に育てて来た。昨年のクリスマスには、ニックさんはローガン君をサンタに会いに連れて行き一緒に写真を撮ったそうだ。悲しくも、それが親子で過ごす最後のクリスマスとなってしまった。

3日に亡くなったニックさんのために、親友のアーロンさんらは寄付金サイト「GoFundMe」を設置し、葬儀のための費用を募っている。「できるだけ多くの寄付を募っています。二ックは素晴らしい父親でした。彼は3年ほどフォックスホールに住んでいましたが、多くの人が彼のことを知っていて彼の悪口を言っている人を聞いたことがないぐらい良い人でした。そんな彼に値するようなお葬式をして、彼を送り出してあげたいんです。もし、少しでも寄付金が余ることがあれば、ローガンの今後の学校での制服代や諸費用にあてたいと思っています」とエイミーさんは語る。

幼くして父を失くしてしまったローガン君だが、里親家族の愛情を受けて幸せに育って欲しいものだ。それがきっと天国にいるニックさんのなによりの願いであることだろう。

出典:http://metro.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)