赤とピンクのグッズで覆い尽くされた部屋の中央で、全身を赤とピンクに彩ったひとが、メモをとるこちらの指先をじーっと見ている。今風に言うなら“ロリータファッション”ということになるのだろうけれど、こちらを見つめているその顔は、少女のそれではない。わたしはいま、不思議な状況におかれている──。君は原宿の歩行者天国や中野あたりの路上で、真っ赤なフリフリのドレスを着た中年男性を見かけたことはないだろうか?茶