ライトのすぐ向こうは海、という美しい球場AT&Tパーク[Getty Images]

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ワールドシリーズ第3戦

☆ ロイヤルズ - ジャイアンツ ☆

<現地時間10月24日 AT&Tパーク>

 ワイルドカード同士の激突となった2014年のワールドシリーズは1勝ずつで並び、舞台をジャイアンツの本拠地サンフランシスコのAT&Tパークへと移す。

 ロイヤルズはいくつか戦術上の変更を強いられることになるが、まず一つ目はDH制がないということ。日本でも明日から始まる日本シリーズで、甲子園の試合ではDH制が採用されていないように、アメリカでもDH制が採用されていないナ・リーグのチームの本拠地でのゲームでは指名打者の出場はなくなるのだ。

 ロイヤルズの指名打者はバトラー。第2戦は2安打を放ち、同点と勝ち越しの適時打で2打点をマークした。4番のホズマーと6番のA.ゴードンにここ2戦安打が出ていない中で、5番に座り貴重な働きを見せていた男が出られないとなると、ロイヤルズにとっては痛手になる。打順の変更も含め、ヨースト監督の采配に注目だ。

 もう一つが、AT&Tパークの形状である。この球場の特徴はライト側のフェンスだけが急角度で削られたような形になっているところだ。しかもフェンスに凹凸が存在している箇所があり、クッションボールの判断が非常に難しい。

 覚えている方もたくさんいるであろう2007年のオールスターゲームで、当時マリナーズ所属のイチローがオールスター史上初となるランニングホームランを放ったのがまさにこの球場であり、それを生んだのが奇妙な形をしたこの球場のライトフェンスなのだ。

 そこで、ロイヤルズのヨースト監督は青木をスタメンから外すかもしれないという話も現地では挙がっている。ダイソンをセンターに置き、ケーンをライトに回す、普段は守備固めでよく見られる布陣をスタートから組み、青木は終盤の勝負どころでの代打起用というプランになる。シーズン終盤から好調を維持し、チームの快進撃を支えてきた男も、ワールドシリーズに入ってからはやや攻守に精彩を欠いている。ここでの指揮官の決断にも要注目。

 もう一度、本拠地カンザスに帰るためには最低でも1勝が必要になるロイヤルズ。不慣れな戦い方で、不慣れな球場での苦しい戦いが予想される中、ヨースト監督がどのような策を講じてくるのか。第3戦は現地時間10月24日午後8時(日本時間10月25日午前9時7分)、プレイボール。