沢尻エリカ主演「ファーストクラス」の仁義なきマウンティング合戦が凄い
10月15日(水)にスタートした沢尻エリカ主演のドラマ「ファーストクラス」(フジテレビ・水曜夜10時)。今年4月期に深夜ドラマとして放送された同名作品の続編にあたる。ファッションブランドを舞台に、女性同士の格付けバトルを描く。
前作では主人公・吉成ちなみ(沢尻エリカ)が未経験の編集アシスタントからスタートし、同僚や先輩のいじめに耐え抜き、編集長に抜擢された。さらに、廃刊直前のファッション誌を救い、去って行くという展開。ラストシーンは「ちょっと前までファッションエディターやってました」と自己紹介するちなみと、(パリコレ目指してます的な夢見る少女キター)(1週間で潰したるけん、待っときー)といった女たちの“心の声”で締めくくられた。
今回は、矢野竜子(夏木マリ)率いるファッションブランド「TATSUKO YANO」のデザイナーに、ちなみが抜擢されるところから物語が始まる。抜擢の経緯は不明。かつて、ちなみの上司だった雑誌「FIRST CLASS」編集長・大沢留美(板谷由夏)と、ちなみを抜擢したクリエーティブディレクター・廣木リカ(木村佳乃)は旧知の仲らしいということがちらっと登場するが、まだ詳細は明かされない。
そもそも、廣木リカ自身も「TATSUKO YANO」を経営難から救うために抜擢され、ブランドに乗り込んできたという異分子。もとからいるデザイナーたちにとっては面白いわけがない。第一話では、ちなみに対してさっそく恒例の“マウンティング”が繰り広げられた。
住んでいる場所を聞かれ、「高円寺」と答えたちなみに対し、ともさかりえ扮する中堅デザイナー・多武峰凪子(とうのみねなぎこ)が「いいよね、あのへん、商店街が充実していて。庶民の台所っていうの?」とはしゃぎ、「うちなんか近くに何にもなくって。マンションの1階に成城石井しかなくて」と嘆いてみせる。間違っても、「成城石井があれば十分じゃないですか」とフォローをしてはいけないし、「豊洲あたりですか? あのあたりマンション増えましたよねー」などとコメントしてもいけない瞬間だ。
一方、アシスタントデザイナーの須賀さくら(倉科カナ)は、ちなみが栃木県宇都宮市出身だと聞いて、
「餃子の町? えー、いいなあ」と盛り上げる。そして、謙遜している風情を漂わせつつ、地元自慢に持ち込む。「関東近県っていうんですか、東京に近くてうらやましい。私なんて博多だから。福岡って言うより博多だから。未だに東京なじめなくて」。東京なじめない発言キター! 「博多って福岡にあるの?」とは絶対質問しちゃいけない流れだ。
そして、自己紹介マウンティングのファイナルを飾ったのは川島ナミ絵(シシドカフカ)。「FIRST CLASS」編集部の正社員エディターとして、最後までちなみを陥れるべく奮闘していた、川島レミ絵(菜々緒)の姉である。
「博多ぐらいならいいけどさ、私なんて年に2回ニューヨークに帰るだけで200万円コースだからね」(=「ビジネス以上しか乗らないんで」の意)
いやはや、大騒ぎである。しかし、ちなみはさらりと流し、「あのー、そろそろいいですか。仕事始めて…」という一言で話を終わらせ、元ファッション誌編集長の風格を見せつけた。
あなたたちとは立っているステージも、意識の高さも違うというわけだ。
仕事をしている人は覚えておくと便利。本人たちにとっては譲れない闘いも、はたからみれば無駄話ということに気づくと、マウンティングの泥沼に引きずり込まれずにすむ。
このドラマは、女ってこわいわー、きついわーとお化け屋敷のように眺めるだけでも楽しい。でも、それぞれの戦闘スタイルに目を向けるとさらに面白くなる。
例えば、アシスタントデザイナーの須賀さくら(倉科カナ)は<年上の人物たちに取り入るのが非常にうまい>という設定。凪子とナミ絵が「なんなら私、チーフデザイナーなんて辞退したいんですけど」「わかるわ-」と心にもないやりとりをしていると、すかさず「じゃあ、わたしに譲ってもらえますか。先輩♪」とぶっこむ。今後、何をしでかしてくれるのか楽しみな存在だ。
また、気に入らないことがあると、その思いをセクシー川柳に読むという性癖を持つプレス担当の荒巻千冬(小島聖)と、語尾になぜか「にゃん」をつけて毒づくアシスタント・向井山華のきなくささも、そそられる。
第二話ではいよいよ、ちなみに対するいやがらせが本格化。予告編では「シンデレラVSモンスター女」というテロップが流れていた。ところで、モンスター女って誰だ? 候補がいっぱいいすぎてわからーん。今夜22時から!
(島影真奈美)
前作では主人公・吉成ちなみ(沢尻エリカ)が未経験の編集アシスタントからスタートし、同僚や先輩のいじめに耐え抜き、編集長に抜擢された。さらに、廃刊直前のファッション誌を救い、去って行くという展開。ラストシーンは「ちょっと前までファッションエディターやってました」と自己紹介するちなみと、(パリコレ目指してます的な夢見る少女キター)(1週間で潰したるけん、待っときー)といった女たちの“心の声”で締めくくられた。
そもそも、廣木リカ自身も「TATSUKO YANO」を経営難から救うために抜擢され、ブランドに乗り込んできたという異分子。もとからいるデザイナーたちにとっては面白いわけがない。第一話では、ちなみに対してさっそく恒例の“マウンティング”が繰り広げられた。
住んでいる場所を聞かれ、「高円寺」と答えたちなみに対し、ともさかりえ扮する中堅デザイナー・多武峰凪子(とうのみねなぎこ)が「いいよね、あのへん、商店街が充実していて。庶民の台所っていうの?」とはしゃぎ、「うちなんか近くに何にもなくって。マンションの1階に成城石井しかなくて」と嘆いてみせる。間違っても、「成城石井があれば十分じゃないですか」とフォローをしてはいけないし、「豊洲あたりですか? あのあたりマンション増えましたよねー」などとコメントしてもいけない瞬間だ。
一方、アシスタントデザイナーの須賀さくら(倉科カナ)は、ちなみが栃木県宇都宮市出身だと聞いて、
「餃子の町? えー、いいなあ」と盛り上げる。そして、謙遜している風情を漂わせつつ、地元自慢に持ち込む。「関東近県っていうんですか、東京に近くてうらやましい。私なんて博多だから。福岡って言うより博多だから。未だに東京なじめなくて」。東京なじめない発言キター! 「博多って福岡にあるの?」とは絶対質問しちゃいけない流れだ。
そして、自己紹介マウンティングのファイナルを飾ったのは川島ナミ絵(シシドカフカ)。「FIRST CLASS」編集部の正社員エディターとして、最後までちなみを陥れるべく奮闘していた、川島レミ絵(菜々緒)の姉である。
「博多ぐらいならいいけどさ、私なんて年に2回ニューヨークに帰るだけで200万円コースだからね」(=「ビジネス以上しか乗らないんで」の意)
いやはや、大騒ぎである。しかし、ちなみはさらりと流し、「あのー、そろそろいいですか。仕事始めて…」という一言で話を終わらせ、元ファッション誌編集長の風格を見せつけた。
あなたたちとは立っているステージも、意識の高さも違うというわけだ。
仕事をしている人は覚えておくと便利。本人たちにとっては譲れない闘いも、はたからみれば無駄話ということに気づくと、マウンティングの泥沼に引きずり込まれずにすむ。
このドラマは、女ってこわいわー、きついわーとお化け屋敷のように眺めるだけでも楽しい。でも、それぞれの戦闘スタイルに目を向けるとさらに面白くなる。
例えば、アシスタントデザイナーの須賀さくら(倉科カナ)は<年上の人物たちに取り入るのが非常にうまい>という設定。凪子とナミ絵が「なんなら私、チーフデザイナーなんて辞退したいんですけど」「わかるわ-」と心にもないやりとりをしていると、すかさず「じゃあ、わたしに譲ってもらえますか。先輩♪」とぶっこむ。今後、何をしでかしてくれるのか楽しみな存在だ。
また、気に入らないことがあると、その思いをセクシー川柳に読むという性癖を持つプレス担当の荒巻千冬(小島聖)と、語尾になぜか「にゃん」をつけて毒づくアシスタント・向井山華のきなくささも、そそられる。
第二話ではいよいよ、ちなみに対するいやがらせが本格化。予告編では「シンデレラVSモンスター女」というテロップが流れていた。ところで、モンスター女って誰だ? 候補がいっぱいいすぎてわからーん。今夜22時から!
(島影真奈美)