宮崎南vs済美
完封した境田恭太郎(宮崎南)
宮崎県屈指の好投手境田を擁する宮崎南が、強豪済美に挑んだ。強豪校相手に投げ合えるだけの力があるのは、宮崎南の境田 恭太郎や宮崎北の安在 和貴かな・・と評しただけに、境田の投球に大注目していた1戦。(参考:10日聖光学院VS宮崎北 レポート)済美は、昨日、妻を相手に7回107球、被安打4・四死球1・奪三振10・失点0と好投した安樂 智大が再び先発した。済美・安樂 智大VS宮崎南・境田 恭太郎。 序盤、両者譲らず0−0の投手戦。 ただ、宮崎南打線は、甘く入った安樂の130km後半の直球を逃さず、毎回安打を放っていた。
すると、4回裏。
先頭の宮崎南の4番四元が右中間越三塁打で出塁すると、続く5番籾木が三遊間を抜く適時打ですかさず先制した。復調中の安樂とはいえ、宮崎南が安樂から1点を奪った。当初、3回だけ登板予定の安樂であったが、4回まで投げて、被安打5・死球1・奪三振2・失点1の内容だった。
そして、宮崎南1−0済美のままむかえた6回裏。宮崎南の攻撃。二死三塁から、8番壹岐が左中間越適時三塁打!9番甲斐が右翼手に入った安樂の頭上を越える右越適時三塁打!1番徳永が今度は安樂のグラブをかすめるライナー性の右越適時三塁打!2番岩切(俊)が左中間越適時三塁打!二死から四者連続適時三塁打という珍しい程の猛攻で、宮崎南が一挙4点をあげて勝利を引き寄せた。 6回一死から変わったばかりの投手が滅多打ちを受けた済美。これには、上甲正典監督も「上甲スマイル」の本意とは異なる苦笑いをみせた。
勝利した宮崎南は、済美の5投手から長打6本を含む12安打6打点。守っては、テンポよく投げる境田(被安打9・四球3・奪三振1)のバックが機敏な動きをみせ、2併殺を含む26刺殺で無失策。最後までマウンドに立ち続けたエース境田との共同作業で、済美をシャットアウトにしとめた。また、単独スチールは一度もなかったものの、走者(打者)が積極果敢に次塁を突き、際どいクロスプレーの三塁打やタッチアップを成功させるなど、強豪校に臆することなくダイヤモンドを必死に駆け回った。宮崎南ナインは、攻・投・守・走・メンタルの全てが嚙みあい、ベストゲームといえる内容だった。済美からあげた大きな1勝を自信に、最後の夏には、甲子園球場で全国の強豪校と再び顔を合わせ、南風旋風をみせたいところだ。
(写真・文=三角 竜之)