田辺vs耐久
2年生3番がコールドゲームへの流れを作る
2打席連続タイムリーの出羽遼大(田辺)
7回コールドゲーム、そして7年ぶりの夏シード権獲得への流れを作ったのは、2年生の3番打者・出羽 遼大のバットだった。
1回裏、一死二塁で最初の打席に立った出羽。耐久の先発・林秀真(3年)からファウルで粘りフルカウントに。そして8球目をライトへ運び、先制タイムリー二塁打となった。
続く2回にも打席が廻ってくる。今度は二死満塁。4球目、やや体勢が崩されかけたように見えたが、しっかりと重心を残したスイングで、打球はまたもライト後方へと飛んだ。三人の走者が全て生還し、二塁ベースへ達した出羽はベンチに向かって拳を突きあげた。
「練習でバットが振れていたのが、出羽くらいだった。他のバッターにはバントかエンドランでいくよと言ったくらいだった。あそこで打ってなければ、たぶんもつれた展開になっていた」と田中格監督は、好調だった出羽のバットで挙げた得点を喜んだ。
7年ぶりの夏和歌山大会のシード権を獲得した田辺。ただ田中監督は、「ウチは強くないと思う。それで新チームが始まった」と話す。 それでも中々負けないチームに、「精神的にブれない子が多い」と指揮官は少しずつ逞しさを感じているようだ。
(文=松倉 雄太)