しのぎを削る伝統の一戦は、攻守で好プレーを見せた横浜が桐蔭学園をかわして準決勝へ! 

三番手としてマウンドに上がり、桐蔭打線を封じた伊藤(横浜)

 保土ヶ谷球場は20度を超える陽気、しかも準々決勝のカードが横浜対桐蔭学園という伝統の一戦となれば、神奈川の高校野球ファンの足は、球場に向かうというものだ。試合開始前には、スタンドは、8割方埋まってしまった。 桐蔭学園は右腕・ 須永 悦司、横浜は左腕・春日井 静斗の先発で始まった。お互いに出方を探る静かな立ち上がり。序盤、横浜は早々に投手をつなぐ。春日井から、小田 準右、そして左腕の伊藤 将司をマウンドに送った。

 5回に試合が動いた。鋭い打球をサードがはじき、笠井が出塁。それを1番小宮はすかさずに送りバント。強めに転がるゴロを、素早く前進した投手の伊藤が正面でキャッチし、迷わず反転してセカンドへ送球。さらに、ボールは一塁に転送されてダブルプレー成立となった。流れるような連係プレーは横浜の真骨頂だろう。 その裏、横浜は3番川口 凌がライト前へボールを落とし出塁。4番高濱 祐仁が倒れてた後、5番渡辺 佳明が、センター前へ強烈なラインドライブを放つ。センターがバウンド処理を誤り後ろに逸らすと、一走川口は、一気にホームに生還して、横浜が先制した。ベンチは畳みかけるように、スクイズを選択。しかし、6番山口 奈翁が食らいつくように当てた打球は、須永のグラブの中へ。すでに三走渡辺は、本塁手前に来ておりダブルプレー。横浜は突き放すことができなかった。

 横浜は8回、浅間が安打と犠打で二塁に立った。打席に入った高浜がセンター前へライナーを弾くと、二走の浅間は、迷うことなく、三塁を回りホームへ駆け込み、2点目を挙げた。試合はそのままゲームセット。横浜が関東大会出場を決めた。 桐蔭学園はいくつかあったチャンスを潰されて涙をのんだ。夏の前哨戦は、まずは横浜に軍配があがったが、残された期間で、桐蔭学園も大きくレベルを上げてくるはずだ。再戦が待ち遠しい。

(文=高校野球ドットコム編集部)