markusさんは12歳の時にXboxを分解しMODチップを使って改造した経験を持ち、ハードウェアハッキングに情熱をささげるレンセラー工科大学の学生です。そして2011年に発売されたもののハッカーによってカーネルアクセスに成功され、ファームウェアもダンプされた「ニンテンドー3DS」のCPUを、ソフトウェアではなくハードウェアの側面からの分解に挑戦し、その様子を公開しています。

Depackaging the Nintendo 3DS CPU
http://gaasedelen.blogspot.jp/2014/03/depackaging-nintendo-3ds-cpu.html

メモリを分解するのに、markusさんはニンテンドー3DSのマザーボードをeBayから5ドル(約520円)で購入。また、大学の同級生からニンテンドー3DS LLのマザーボードもゲットしました。


こちらが今回分解されることになるCPU。


ただ分解するだけでは面白くないとのことで、マザーボードを切断して回路の断面が何層に分かれているかチェック。


切断して確認してみたところ、マザーボードは視認できるだけでも8層に分かれていました。


余興はこれまでにして、CPUの分解に戻ります。CPUはマザーボードにはんだ付けされた後、接着剤でカッチリと固定されています。はんだ付けや接着剤の樹脂からCPUを取り外すため、マザーボードを画像のような装置に載せて加熱。


マザーボードを底部から加熱しつつ、ホットエアガンで熱い空気を送り込み、CPUに付着している樹脂を溶かしていきます。


CPUを取り外すと、茶色の樹脂がマザーボードに残りました。


こちらが取り外したCPU。


今度はCPUの中身だけを取り出すために、CPUを硫酸につけてしばらく放置します。


しばらくすると赤褐色だった硫酸の色が黒色に変化。


20分後、黒色に変化した硫酸からCPUを取り出します。


硫酸できれいさっぱりしたCPU。


付着していたファイバーグラスを取り外して、CPUの回路である「CPUダイ」を顕微鏡で観察してみます。


大きさ6.6mm×6.4mm×0.27mmのCPUダイを顕微鏡で観察すると、付着物を取り除く過程でついた傷を確認できます。


CPUダイをクローズアップ。markusさんによると、顕微鏡で見るCPUダイはとても美しいとのこと。


markusさんは大学でハードウェアを分解して解析する「ハードウェアリバースエンジニアリング」という講義を受講しており、専門の知識は一般レベルを凌駕しているので、「よく分からないけど、面白そう」と思っても、まねしないほうがよさそうです。