スウェーデン王立科学アカデミーは10日、2012年のノーベル化学賞を米デューク大のロバート・レフコウィッツ教授と米スタンフォード大のブライアン・コビルカ教授(57)の2人に贈ると発表した。中国新聞社はコビルカ教授の業績と共に、夫人が中国系と紹介。「華人の娘婿(むすめむこ)がノーベル化学賞を受賞した」と表現した。(写真は「CNSPHOTO」提供)

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 スウェーデン王立科学アカデミーは10日、2012年のノーベル化学賞を米デューク大のロバート・レフコウィッツ教授と米スタンフォード大のブライアン・コビルカ教授(57)の2人に贈ると発表した。中国新聞社はコビルカ教授の業績と共に、夫人が中国系と紹介。「華人の娘婿(むすめむこ)がノーベル化学賞を受賞した」と表現した。(写真は「CNSPHOTO」提供)

 レフコウィッツ、コビルカ両教授の受賞理由は「Gたんぱく質共役(きょうやく)受容体の研究」。レフコウィッツ教授は1968年に「Gたんぱく質共役受容体」に着手。研究チームの一員だったコビルカ教授は80年代に、アドレナリン受容体をつくる遺伝子を発見し、その後には構造も解明した。

 中国新聞社は、コビルカ教授夫人が中国系と紹介。「華人の娘婿である、スタンフォード大医学部の教授が2012年のノーベル化学賞を受賞した」と、複数の写真記事を配信した。夫人の中国語名を田東山さんと紹介した(写真)。

 一方で、韓国メディアの中央日報は、「特にコビルカ教授の研究には韓国人学者3人が大きな役割を果たしていたことがわかった」と、受賞理由となった研究に、自国人科学者が貢献したと強調した。韓国国内の大学で現在は教授職を務める研究者3人が米国で博士課程後期の学生として学んでいた時に、研究に貢献したという。

◆解説◆

********** 「Gたんぱく質共役受容体」は細胞が細胞外から神経伝達物質やホルモンから情報を受け取る際、細胞内に情報を伝達する役割を果たす。多くの疾患に関係しており、両教授の研究は血圧の薬や睡眠薬の開発にも結びついた。(編集担当:如月隼人)