モドモドの実、アインを演じる篠原涼子(左)
モサモサの実、ビンズを演じる香川照之(右)

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「家で『モサモサ〜』と練習していたら息子から『違うな』って、ダメ出しされちゃって」


9月18日、映画「ONE PIECE FILM Z」(12月15日公開)の公開アフレコ収録が都内スタジオで行われた。
登場したのは女優の篠原涼子と、俳優の香川照之。

「ここでやるんですか!? 恥ずかしい〜」と、台本で顔を隠す篠原涼子。

テレビ番組で、「アフレコ現場に突撃ー!」みたいな企画をたまに観ていると、アフレコは、完全防音のブースの中で、巨大モニタだけを見て演じるのが通常だ。
あの狭いブースの中から、どうやって取材するのだろうと思っていたら、収録現場はブースの外!
巨大モニタではなく、大勢の取材陣に向かってのアフレコだ(映像を映すモニタはちゃんとある)。

2009年公開の「ONE PIECE FILM STRONG WORLD」以来、3年ぶりに原作者の尾田栄一郎が総合プロデューサーを務める「ONE PIECE FILM Z」。
劇場版でははじめて「新世界編」のエピソードを描いている。

主人公の麦わら海賊団ルフィたちの最大の敵、海軍。
全兵を統べる海軍総大将の元帥。その下にいるのが、海軍本部最高戦力と言われている、「海軍大将」だ。
海軍大将は何度となくルフィたちの前に立ちはだかり、「ワンピース」史上、最大の戦いとも言われている「マリンフォード頂上戦争」では、当時の大将赤犬が、ルフィの兄エースを死に至らしめる。

「ONE PIECE FILM Z」では、伝説の元海軍大将ゼットが、海軍殲滅を目的に、NEO海軍を立ち上げ、ルフィたちに襲いかかる。

ゼットの部下、触れたものの時間を戻すことができ、人を若返らせることもできる「モドモドの実」の能力者、アインを演じるのが篠原涼子。
同じくゼットの部下で、植物の成長を促す「モサモサの実」の能力者、ビンズを演じるのが香川照之だ。ビンズは「忍者風の男」と紹介されているけど、服装はどことなく歌舞伎的だ(ビンズの衣装について聞かれた香川は「いやー、忍者でしょう」と苦笑い)。

アフレコ収録がはじまる。
「モ〜サモサ〜!」
香川は、「ゲド戦記」(2006年)、「コクリコ坂から」(2011年)でも声優として参加しており、アフレコには慣れた様子。叫び声も多かったのだが、難なくこなしていった。どうやら、サンジとのアクションシーンもあり、映像で観るのが楽しみだ。

アニメ声優は1992年の「トムとジェリーの大冒険」以来の篠原涼子。ゾロ(すでに収録済み)との掛け合いシーンが見せ場だ。20年ぶりのアフレコで、調子をつかむのに苦労しているのかな? と思うシーンもあった。しかし、テスト収録のあと、音響監督さんの「もっと声を張ったほうがかっこいいと思います」という注文にしっかりと応える。
さすがプロだ……!


「アインを演じるとき、『篠原涼子』が前に出てこないように、『私はアイン、私はアイン!』とイメージしていました。
アフレコ後の感想を語る篠原。
「声だけなので見えないから、なんでもできちゃうって感じですよね。こういうことじゃないですか」
と、用意されていたアインのパネルの裏に隠れる篠原に、「どういうことですか!」と香川も思わず突っ込む。

「『ワンピース』って、アクションでは人類が体験したことのないくらいの攻撃を受ける作品ですよね。つまり、人類が体験したことのない声がでるわけですよ。ガベボボボボ! みたいな。どんなときにそんな声が出るんだって」
熱狂的なボクシングファンの香川。アクションシーンを演じるときは、やっぱりボクシングをイメージしたのだろうか。
「ボクシングではあんな腕が伸びる人はいないですからね(笑)。


「ONE PIECE THE MOVIE カラクリ城のメカ巨兵」のドクター・ラチェットを演じた稲垣吾郎や、「ONE PIECE FILM STRONG WORLD」で金獅子のシキを演じた竹中直人など、これまでにも、映画「ワンピース」敵役としてゲスト出演した人は多い。
アインとビンズは、「ルフィたち最大の敵!」を更新できるのか。映画を観て、確認しないといけないな。
(加藤レイズナ)