本日投票開始！「AKB48選抜総選挙」のみどころはトップ争いばかりじゃない
今回で第４回を数える総選挙には、AKB48のほか、名古屋のSKE48、大阪のNMB48、それから昨年秋より福岡で劇場公演を始めたHKT48のメンバーも合わせて総勢237人が立候補している。昨年の候補者数は152人だったから、80人以上もの増員というわけだ。
今回の総選挙でシングルの選抜メンバーになれるのは16人。以下、17位〜32位にランクインしたメンバーは「アンダーガールズ」、33位〜48位は「ネクストガールズ」、49位〜64位は「フューチャーガールズ」にそれぞれ入ることができる。後者２つは今年から新設された枠だ。昨年の選抜メンバーが21人だったことを思えば、狭き門になっているともいえる。それでも昨年までは開票発表は40位止まりだったのが、今年は64位まで拡大されたわけで、これが投票結果にどう影響してくるのか気になるところである。
なお投票はすべてウェブを通じて、メンバーのリストから選択するという形をとっている。もっともポピュラーなのは、AKB48のニューシングル「真夏のSounds good!」通常盤CDに封入されている投票シリアルナンバーカードの番号を投票サイト（PC／携帯）に打ちこんで投票するという方法。そのほか、AKB48の公式ファンクラブ「二本柱の会」のサイト、「AKB48公式スマートフォンアプリ」、「AKB OFFICIAL NET」、DMM.comの「AKB48 LIVE!! ON DEMAND月額見放題」、「SKE48 LIVE!! ON DEMAND月額見放題」、それからAKB48、SKE48、NMB48、HKT48の各モバイルサイトにもそれぞれ投票受付ページが設けられている。ただしシリアルナンバーカード以外の方法で投票する場合、それぞれ会員登録が必要なので注意。そのほか詳細は、AKB48公式サイトの総選挙のページを参照されたい。
●みどころはトップ争いばかりじゃない！
ことしの総選挙の最大のみどころはもちろん、昨年、１位に２年ぶりに返り咲きながら、今年は卒業を控えていることから立候補を辞退した前田敦子に代わって誰がトップに立つのか、そして選抜メンバーはどんな顔ぶれになるのか、ということだろう。
もちろん楽しみはそればかりではない。枠が64まで増えたのだから、ベテランながらこれまで総選挙ではランクに外れていたメンバー、あるいはまったくの新人が入ってきたりということもあるかもしれない。てか、そうなったほうが絶対楽しいじゃん！
筆者としてはトップ争いとともに、いやそれ以上に、この１年間に特定の分野で目立った活躍のあったメンバーがどれだけランクインするかということに関心がある。たとえば、初の著書『非選抜アイドル』で、“敗者”の存在意義を説いた仲谷明香（昨年の総選挙はランク圏外）は？ あるいは先月より始まったAKB48の全国ツアーのタイトル「野中美郷、動く。〜47都道府県で会いましょう〜」にその名が冠された野中美郷（昨年圏外）は？ はたまた、まだ研究生ながら、新人離れしたルックス・立ち居振る舞いから脚光を浴び、早くもドラマやCMなどに引っ張りだこの“大型ルーキー”光宗薫のランクインはあるのか？
さらに今年に入って48グループのメンバーたちが参入、更新を続けているSNS「Google+」（ぐぐたす）は、彼女たちの格好の自己表現の場となっている。そこで新たな才能を見出されるメンバーも多く、そのなかから「ぐぐたす選抜」として石田晴香（昨年圏外）をセンターとする16人が選ばれ、Google+のCMに出演したことは記憶に新しい。「ぐぐたす選抜」のうち片山陽加（昨年圏外）は、ぐぐたすに投稿したヘタウマというかヘタヘタな絵が妙にウケたことから、48グループ内で結成された「美術部」の部長に抜擢、現在展覧会開催をめざし活動中だ。
文化系ばかりではない。スポーツの分野でもたとえば、山内鈴蘭（昨年圏外）は目下、テレビ東京の番組「ごるふなでしこ」で、古閑美保プロの指導を受けながらプロゴルファーを目指して特訓中だ。山内も含めここにあげたメンバーたちが、選抜の常連メンバーのなかに入り込んだら、どんな化学反応を引き起こすのか。想像するだけでわくわくする。
●SKE48、NMB48、HKT48……地方勢の動きにも注目
いまひとつ、今回の総選挙で筆者が注目するのは、姉妹グループのメンバーがどれだけ躍進するかだ。とくに――これには地元びいきも入ってしまうけど――SKE48からどれだけランクインするかは気になるところである。SKE48のエース格であり、AKB48のシングルの選抜常連でもある松井玲奈（昨年10位）と松井珠理奈（昨年14位）が、どれだけ上位に食いこんでくるかはもちろん、ほかにも躍進を期待できるメンバーは少なくない。
ここ最近のSKEは、AKBの姉妹グループのひとつとしてではなく、単独で大きくとりあげられることも目立つ。たとえば、日本テレビではコメディドラマ「SKE48のマジカル・ラジオ」の第２シリーズが放送中だ（地元・名古屋地区にはネットされていないのが残念だが）。雑誌でも、これまで２回ほど「AKB48増刊」を出している「週刊プレイボーイ」から、ここへ来てSKE48増刊が刊行されている。また、「週刊東洋経済」が毎年出しているNAGOYA臨時増刊の2012年版にもSKE48が登場、表紙も前出のＷ松井が飾っている。記事ではSKEの地域への貢献など、地元ファンでも知らないような事実も結構出てきた。とりわけ、AKB48グループをマネジメントする「AKS」が名古屋資本の企業だったとは、目からウロコであった。
SKEといえば去年の開票イベントでは、ステージに立ったチームKIIのキャプテン高柳明音（昨年23位）が、秋元総合Pに対して、諸事情で延期されていた同チームのオリジナル公演の早期開催を直訴するという一幕もあった。結果的にこれが功を奏したのか、昨秋より新公演「ラムネの飲み方」が始まっている。今回もこのようなハプニングが起こるのか、目が離せない。
地域密着を志向するのはSKEばかりではない。NMB48はよりはっきりした形で、「大阪十番勝負」と題し、大阪府内をまわるライブツアーを行なっている最中だ。そのNMBだが、昨年の総選挙はチームNキャプテンの山本彩が28位にランクインするにとどまった。しかし全国的に知名度がUPした今年はそれでは終わらないはず。AKB48のチームBも兼任する渡辺美優紀の上位ランクインは固いし、奇抜なコスプレで一部で人気の木下百花あたりもダークホースとして要注目だ。
今回初めて「総選挙」を迎えるHKT48は、ヤフードームに隣接するホークスタウンモールに専用劇場を構える。西鉄ライオンズ以来の野球人気からもうかがえるように情熱あふれる博多っ子たちの票の行方が気になる。注目株としてエース格の兒玉遥や、ホークスの元選手を父に持つ若田部遥などがいるHKTから、果たして何人がランクインを果たすのか？
最後になったが、今年の総選挙で筆者は、SKE48の秦佐和子に投票するつもりでいる。テレビ番組での“謙虚キャラ”がウケたこともあり、昨年33位で初ランクインを果たした彼女の今年の目標は、『AKB48総選挙公式ガイドブック2012』によれば「32位」だとか。あいかわらず控えめではあるが、秦はここぞというときに大胆な行動をとることも多く、そのたびにこんな一面もあるのか！ と驚かされる。選抜メンバーになるにせよ、ほかの枠でセンターに立つにせよ、大役を与えられたときこそが彼女の本領発揮のチャンスと信じて、票を投じたい。（近藤正高）
