■2012ロンドン五輪アジア最終予選　日本×バーレーン　キム・ドンジン審判団評

日本サッカー協会の松崎審判委員長が「海外でも中東と南米は違う」というように、海外でも審判にとって“嫌な”と評することができる地域。そんな中東のチームの五輪を賭けた試合。審判団にとって非常に難しい試合だ。

10秒、大津のファウルをとり、笑顔でコミュニケーション。2分にも裏から押す格好になった原口のファウル。6分には大津への不用意なチャージをとったように、かなりファウルを厳しく見極めてくれる基準で、日本にとって有利な基準だ。

それはカードの基準も同様だ。

13分、扇原の足にスライディングタックルする格好になったアルアラウィに警告を与えたのをみて、日本選手たちが怪我をすることもなさそうだと安心できた。

20分の日本のカットはキッキングでもおかしくないが、ノーファウル。

25分の大津のスライディングタックルはボールにプレーできる範囲外のため、しっかりとる。ラフなプレーを未然に防ぐ判定だ。35分には、ボールを受けようとした大津に遅れてチャージをしたため、厳しく笛を吹く。39分、リスタートを邪魔したショワイテルに警告。

41分には、正当なチャージにもかかわらず、ショワルティが大袈裟に倒れ、そのまま倒れこむ。こういった中東の狡猾なプレーにも、キム主審は惑わされない。ショワルティもいつまでもそうはしていられないため、ピッチに戻ったが、こういった意味のないプレーが主審の心象を悪くした気がする。

50分の濱田の競り合いはギリギリということか。58分のアルアラウィが倒れたシーンも、ファウルを貰いにいっているためノーファウル。

2点差がついても、キム主審は緩めない。63分の清武のポストに当たったシュートのシーンでの走りは見事だった。また、67分の大津の足にスライディングタックルしたマホルフィに警告も試合を荒れさせないポイントだった。89分にもゆっくりと交代した扇原に遅延行為で警告を与えるなど、姿勢を変えない。

フィフティな判定が日本寄りに感じる部分もあったが、試合自体は妥当だった。少なくとも、日本人はストレスなく試合をみられたのではないだろうか？

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