Siriでできることの一覧。それぞれの項目をタップすると、さらに詳細が表示されます。最初に一通り読んでおくといいでしょう

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先日公開されたiPhone用OSの新バージョンiOS5.1でとうとう待望の機能が実装されました。Siriの日本語対応です。

Siri(ちなみにシリじゃなくてスィアリが正しい発音っぽいです)は簡単に言うと、音声でiPhoneを操作するための機能です。iPhoneのホームボタンを長押しすることで起動し、普通にiPhoneに話しかけるわけです。すると、その通りの動作をしてくれるのです。しかも、ただ単に実行するだけではなく、合成音声で答えながら実行してくれるのです。そう、あれですよ。古くはナイト2000のKITT(はい、マイケル)からジュイス(今後とも救世主たらんことを)まで、こちらが話しかけたことを忠実に実行してくれる人格付きのコンピュータの世界がもうすぐそこまできているのです。

●まずはSiriの設定をしよう

Siriを使うにはiPhone4SでなおかつiOS5.1にする必要があります。その上で「設定」の中の「一般」にある「Siri」という項目で、SiriをONにしましょう。これで使う準備が整います。

起動方法は簡単で、ホームボタンを長押しするだけ。すると、画面下部からマイクのマークと「ご用件は何でしょう?」というメッセージが出てきます。そうしたら、iPhoneに向かって話しかければいいのです。電話をするようにiPhoneの下の方に向かって話しかけるといいでしょう。

ちなみにSiriは日本語対応しています。これは、Siri単体で日本語に対応しているということ。例えばiPhone全体の環境を英語環境にしている場合でも、Siriの設定で「Japanese」を選べばきちんと日本語で命令をすることができます。英語環境で日本語Siriの場合、Siriは「ご用件は何でしょう?」と日本語で質問をしてくれます。

●Siriにお願いをしてみよう

Siriにお願いをするのは簡単です。普通に喋ればいいのです。ただやっぱり音声認識なので、はっきりゆっくり喋った方が認識してくれる可能性が高くなります。

ではまず、最初なんで挨拶をしてみましょう。挨拶といえば、そう。天気の話題です。というわけでSiriに「今日の天気は?」と聞くと快く答えてくれます。しかも、場合によっては「レインコートをお持ちだとよいのですが…」なんてアドバイス付きです!

もちろん、もっと詳細に聞くことができます。「金曜日の天気は?」なんて聞いてみると「次の金曜日の天気はあまりよくなさそうです」なんて言いながら天気予報を表示してくれます。

さて、ではいったいSiriにはどんなことをお願いできるのでしょうか? 実は「ご用件は何でしょう?」と言うメッセージの横のiマークをタップするか、そのまま「ヘルプ」とSiriに向かって言ってみると質問の例の一覧を表示してくれたりします(1枚目の写真を参照)。ちょっと列挙してみましょう

・私のことは小林さんと読んで(連絡先をいじれます)
・康則君に電話(電話だってかけられます)
・The Light of the Sunを再生(ミュージックを操作できちゃいます)
・克也君にすぐ行きますと伝えて(iMessageすらできちゃう!)
・9時に会議を設定(カレンダーも大丈夫)
・母に電話するのをリマインド(リマインダー設定できるのが意外と便利)
・真由美に旅行についてメール(メールも書けます。文章も音声でOK)
・今日の天気は?(天気の話は挨拶の基本)
・Appleの株価は?(忙しいビジネスマンに株価の話題を!)
・明日の朝7時に起こして(アラームやタイマーをいじれます)
・今日のランチ代は980円とメモ(メモできます。これ実はものすごく便利)
・ボラボラ島をWebで検索(Webで検索できます。Googleで検索みたいに検索エンジンの指定も)

もちろん今挙げたものは例で、その中でさらに詳細にお願いすることができます。個人的に便利で活用しているのは連絡帳関連とメモ機能だったりします。

連絡帳に関しては、実はさまざまな行きつけだったりするお店の情報を連絡帳に入れているので、適当に「●●(お店名)の連絡先」とか言って呼び出してみたり、場合によっては「●●(お店名)に電話」と言って、その場で電話をかけて予約をとったり予約変更をしたりしています。

また、メモに関しては後で見返すことを前提に、文字変換とか気にしないでべらべらとSiriに向かって喋って、メモをとってもらったりしています。ちなみに今あるメモに追加したりもできます。「買い物リストというメモを作成」「買い物リストメモに追加。トイレットペーパー」とか言うとどんどん追記できたりするのです。もちろんメモ内の検索だってSiriでできます。

ちなみに音楽はおおむね問題なく狙ったものを再生してくれるのですが、違うアーティストで同じタイトルの曲を再生するときにうまく狙った方の曲を再生できませんでした。アーティスト名+曲名のように言っても駄目だったのです。何かいいやり方があるのかもしれませんが、今回はわかりませんでした。というわけで、同じタイトルの曲をたくさんiPhoneに入れている人はちょっと注意してください。

<追記>
ちなみに、Apple純正イヤホンマイクを使った場合はマイクの平らな部分を長押しでSiriが起動できます。そうすると、完全にiPhoneをポケットや鞄の中に入れたままSiriで操作することができるのです。これはとても便利! ただ、外でぼそぼそとイヤホンマイクに向かって「次は『□□』の曲を再生」とか言っているとちょっと挙動不審に見えちゃうので注意しましょう。

●ちょっと困ったことも?

Siriは大変便利で強力なのですが、一個だけ困ったことがあります。それは、ロック画面でもSiriを起動できてしまうことです。

例えパスコードでロックしていても、ホームボタンを長押しすると起動できちゃうのです。そしてSiriに向かって「私は誰?」とか言うと、「あなたはKeiです。少なくとも私はそううかがっています。」と言いながら登録者(この場合は僕)の連絡帳データを表示してくれたりもするのです。これでは個人情報がダダ漏れです。

さらに、メールもSiriで出せることに注意してください。そう、ロック画面でもメールを出せてしまうのです。なので、誰かにiPhoneを拾われたときに、そのまま自分を騙られてメールを出されちゃうこともありうるのですね。

それが困るという人は、パスコードロック中にSiriを使えなくなるように設定するしかありません。その場所は「設定」の「一般」の中の「パスコードロック」内にある「Siri」の項目です。ここをオフにすることで、パスコードロック中にSiriを起動されることはなくなります。

●ジョークだって解釈してくれる

Siriは本当にすごいソフトです。何がすごいって、ジョークだって解釈してくれるのです。「愛しているよ」と言った時の反応やうまい切り返しがさまざまなまとめサイトに掲載されているのを見たことがあるという方も多いでしょう。本当に、あんな風に言ってくれるのです。

ちなみに個人的に最もツボに入ったのは「人生、宇宙、全ての答え」です。これをGoogleで検索したときの答えが大好きだったので、とりあえずSiriが使えるようになってみたらやってみました。でも、残念ながら僕の発音が駄目だったのか、何度やっても宇宙を雨中としか解釈してくれません。

あきらめてとりあえず「人生」と聞いてみたら、これがまあ、お見事な解答が。同じ質問でも何回か答えが違うバージョンがあったりしますので、その辺を3枚目の写真にしてみました。


Siriの音声認識は、おおむね良好で、驚くほど自然に答えてくれます。ひょっとしたら、これでテープ起こしが楽になる……? なんて考えちゃったりもしましたが、さすがに長時間は無理なんじゃないかと思うので、まだ試していません。でも、間違いなく未来のコンピューターのひとつの形を示してくれていると言えると思います。今のうちから体験しておくといいかもしれませんよ!
(杉村 啓)