20代の息子が「払っても無駄」と国民年金の未納を続けていたら、実家に「親の財産を差し押さえる」という催促状が届きました。同居しているだけで、本当に親が代わりに払わないといけないのでしょうか?
国民年金には世帯主の連帯納付義務がある
20歳以上60歳未満で、会社員や公務員ではない人などは、国民年金の第1号被保険者として保険料を納める必要があります。20代の息子が学生ではなく、厚生年金にも入っていない場合、国民年金保険料の納付義務があります。令和8年度の国民年金保険料は、月額1万7920円で、納付期限は翌月末となっています。
ここで注意したいのは、納付義務が本人だけに限られない点です。日本年金機構は、国民年金第1号被保険者の世帯主と配偶者は、保険料を連帯して納付する義務があると説明しています。
つまり、親が息子と同じ世帯の世帯主であれば、息子の未納保険料について、親にも納付を求められる可能性があります。「子どもは成人しているから親は関係ない」とは言い切れません。
ただし、同居しているだけで必ず親が責任を負うとは限りません。住民票上の世帯が別で、親が息子の世帯主ではない場合は、扱いが変わる可能性があります。まずは通知の宛名と、住民票上の世帯主が誰かを確認しましょう。
いきなり差押えではなく段階を踏んで進む
国民年金の未納があると、まず電話や文書で納付の案内が行われます。それでも支払われず、支払う能力があると見られる場合には、最終催告状が送られます。
さらに、指定期限までに納付されないと督促状が届きます。日本年金機構は、被保険者に連帯納付義務者がいる場合、世帯主や配偶者にも督促状を送付するとしています。
督促状の期限を過ぎても未納が続くと、本人だけでなく、連帯納付義務者である世帯主や配偶者の財産も差押えの対象になることがあります。差し押さえられる可能性があるのは、預貯金、給与、不動産などです。
ただし、通知が届いたからといって、今日明日にすぐ差押えという意味ではありません。大切なのは、放置しないことです。本人が支払えない事情があるなら、免除や納付猶予の手続きを検討する必要があります。
払えないなら免除や猶予を申請する
息子が「払っても無駄」と考えて未納を続けているなら、その考えは危険です。未納のまま放置すると、将来の老齢年金が減るだけでなく、障害年金や遺族年金を受けられないリスクもあります。
日本年金機構のパンフレットによると、令和5年度末の障害基礎年金受給権者の数は約226万人ですが、そのうち約26.6万人が20代の受給権者となっています。「年金は老後の保障だけではありません」と、注意喚起がなされています。
収入が少なくて払えない場合は、保険料免除制度や納付猶予制度があります。学生なら学生納付特例を使える場合があります。これらの制度は、何もせず未納にするのとは大きく違います。
免除や猶予が認められた期間は、将来の年金額に一定程度反映されたり、受給資格期間に算入されたりします。10年以内であれば追納して、老齢基礎年金の受給額を満額に近づけることもできます。 まずは市区町村の国民年金窓口や年金事務所に相談しましょう。
親としては、頭ごなしに「払え」と怒るだけでなく、通知を一緒に確認し、本人に手続きさせることが大切です。親が代わりに払う場合でも、今後どうするかを話し合い、未納を繰り返さない仕組みを作りましょう。
まとめ
20代の息子が国民年金を未納にしている場合、親が同じ世帯の世帯主であれば、親にも連帯納付義務があります。そのため、親の財産が差押えの対象になる可能性はあります。
ただし、通知が届いた段階で、すぐに差押えが行われるとは限りません。納付案内、最終催告、督促などの段階を経て進みます。放置するほど状況は悪くなるため、早めに対応しましょう。
支払えない事情があるなら、免除、納付猶予、学生納付特例を確認することが大切です。「払っても無駄」と未納にするのではなく、制度を使って将来の年金や万一の保障を守るよう、親子で早めに年金事務所へ相談しましょう。
出典
日本年金機構 20歳になった皆様と世帯主の方へ 国民年金の加入と保険料のご案内
日本年金機構 日本年金機構の取り組み(国民年金保険料の強制徴収)
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

