画像:山賢人 公式サイト(スターダストプロモーション)
 2028年放送予定の大河ドラマ 『ジョン万』(NHK)で、主人公・中濱万次郎役を山賢人さんが務めることが発表されました。山さんの地上波ドラマ出演は、2022年に主演を務めた日曜劇場『アトムの童』以来、約6年振り。同作の全話平均世帯視聴率は9%台と、当時の日曜劇場としては不振に終わりました。

 当時、“国宝級イケメン”として若い女性人気は高かった山さんですが、男性や中高年層にはその良さが伝わらず苦戦したのかもしれません。ですが、今の山さんならば、『ジョン万』で日曜劇場での屈辱を晴らすことが出来るのではないでしょうか。

◆主演ながら選ばれなかった過去

 大河制作発表では、山さんの起用理由について、制作統括から「横にいる共演者の方たちを邪魔せず、でもその方たちの“一座”としての味をすごく生かすところに一番の魅力を感じました」と明かされています。その姿勢は映画『キングダム』の際も顕著に表れていました。

 数々の賞を受賞している映画『キングダム』はシリーズ1作目で第43回日本アカデミー賞で優秀作品賞のほか、共演の吉沢亮さんが最優秀助演男優賞を、長澤まさみさんが最優秀助演女優賞を獲得。一方、山さんは主演であるにも関わらずノミネートされていませんでした。

 ただ、授賞式で吉沢さんは「(山さんが)主演でみんなを引っ張ってくれたおかげで、すごく素敵な作品になった」と感謝を伝えたのです。

◆周囲の役者を引き立てる座長力

『キングダム』は、何者でもない少年・信が主人公。吉沢さん演じる若き国王や長澤さん演じる山界の王ら続々と現れる「自分以上の存在」との出会いを通じた成長物語です。

 それゆえ、信が最初から圧倒的存在感を放つことはありません。山さんががむしゃらで熱くもがくからこそ、凛と佇む吉沢さんや長澤さんが引き立っていたのです。

 山さんはこの頃から、物語の中心でありながら目立ち過ぎず、周囲との共闘に重きを置き、共演者の良さを引き出す座長力があったのだと思います。この献身性の原点はサッカーで、俳優業との共通点として「個人プレーでもありチームプレーでもある」と本人が明かしています。

◆『今際の国のアリス』では世界的評価に

 そんな山さんの魅力の一つとして、共演者の芝居を受けて変化をつける受信力の高さが挙げられます。相手の呼吸、目線の揺れなどを瞬時に受け取り、その場で演技を柔軟に変える。共演者の表情が映える間を作り、彼らの感情が“生きたまま”画面に残るのです。

 また、監督や共演者がよく語るのは「普段は力が抜けているのに、本番で一気にスイッチが入る」というギャップ。この“柔らかさ”が現場の緊張をほぐし、共演者が自然体で演じられる環境を作っているのでしょう。

 そんな山さんは『キングダム』シリーズと並行し、数々の主演作で大ヒットを連発。配信ドラマ『今際の国のアリス』シリーズ(Netflix)で、山さん演じる主人公・アリスは、W主演の土屋太鳳さん演じる女性プレイヤーと共に、息つく間もなく繰り広げられるデスゲームに参戦します。

 アリスは派手なヒーローではなく、迷いや弱さもある普通の青年でしたが、頭脳を活かし、仲間を導く存在へと変わっていきます。 味方、敵、ゲームの鍵となる人物が移り変わるなかでも、山さんが屋台骨となることでそれぞれのキャラが立ち、世界的評価に繋がりました。

◆深い理解で「実写化成功請負人」の地位を確立

 また、映画『ゴールデンカムイ』シリーズで、元陸軍軍人の杉元佐一を演じるにあたっては、「不死身の杉元」の肉体・精神・人間性のすべてを掴み取り、作品世界に溶け込ませました。