「石破おろし」のその先は? 高市早苗氏でもなく、小泉進次郎氏でもなく…“次の顔”に挙がった「意外な名前」
総選挙で自公過半数割れとなったものの、石破茂首相は11日召集の特別国会で首班指名される。
【写真をみる】総裁選にも出馬せず…“次の顔”に挙がった「意外な人物」
「少なくとも年内は政権が続く可能性が高そうです」
とは全国紙政治部デスク。
「年内成立を目指す補正予算案は被災地支援策や物価高対策を含み、その重要性ゆえ与野党とも余計な動きには出づらい。石破おろしが起きないゆえんです。国民民主党の玉木雄一郎代表が協力の条件とする年収103万円の壁の解消やガソリン税のトリガー条項凍結解除には公明党も同調しており、年内の臨時国会は自公国で乗り切るでしょう」
立憲民主党の“本音”は
立憲民主党はそれを座視しているだけなのか。
「野党の勝負どころは来夏の参院選。それまでは石破首相でいてほしい」
と立民幹部が本音を口に。
「立民は首班指名で“野田佳彦代表の名前を書いてくれ”と各野党にお願いしているが、それはポーズ。いま政権を取っても、目下の参院は自公が過半数を押さえ、ねじれ国会に苦しむだけ。野田首班を望んではいません」
来年はどうなる?
「1月からの通常国会では、予算案や政治改革法案を人質に取り、国民玉木を引き剥がして少数与党を揺さぶる。そして6月の会期末で内閣不信任案を可決させ、解散か総辞職に追い込む。解散なら衆参同日選で一気に両院での過半数確保を目指すし、総辞職となっても参院選は有利に。いずれにせよ石破政権が続けば、野党には悪くない未来が待つ」
問題は“次の顔”
この点、むしろ自民党のベテラン議員のほうこそが「替えるなら早いほうがいい」と言い切る。
「6月の会期末に石破内閣が総辞職してクビをすげ替えても、目前に迫る参院選までに党勢を回復させるなんて不可能。遅くとも3月末の予算成立に合わせて退陣させないとダメだよ」
それに、と続ける。
「野党は4月からの後半国会で、企業・団体献金の禁止などの政治資金規正法改正を求めてくる。裏金問題が再び焦点となるのは確実だ。しかも自民党は参院にも裏金議員がいる。石破が続けている限り、参院選を前に公認問題が蒸し返され、衆院選の二の舞になるのは目に見えている」
別の自民党関係者も、この話を裏打ちする。
「衆院の自公215議席のうち“反石破”の旧安倍派22人と麻生派31人が採決を欠席するなどすれば、与党は国民の28人を足しても過半数に達しない。予算成立と引き換えに石破さんを交代させるのは、難しいことではありません」
問題は“次の顔”だが、
「座りがいいのは、自身も長く身を置いた参院の事情に通じる林芳正官房長官。ただし地味ですし、ポスト石破のキーマンたる麻生太郎さんとの仲がいまいち。高市早苗氏は裏金議員たちとの関係が深過ぎるし、小泉進次郎氏は総裁選や衆院選で能力不足が露呈してしまった。いっそ総裁選で善戦した若手の小林鷹之氏や、場合によっては小渕優子氏を押し立てる可能性もありますね」
石破氏が掲げた「総力結集」のスローガンが空しい。
「週刊新潮」2024年11月14日号 掲載