ロンドンの英議会下院で2024年10月7日、中東情勢に関する声明を読み上げるスターマー英首相。英議会提供=ロイター

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 英議会下院で16日、終末期の成人に対し、自ら命を絶つ権利を認める法案が提出された。

 ただ、6割超の議席を占める与党・労働党内でも意見が分かれており、可決されるかは見通せない。

 法案を提出したのは、労働党のキム・レッドビーター議員。X(旧ツイッター)に4日、「命は尊いが、選択も同様に尊い」と記していた。

 法案の詳細は現時点で公表されていないが、レッドビーター氏は英メディアに対し、対象者は「余命6〜12カ月」などと明確に診断され、精神的には健全な成人だと説明。「あくまで自らの選択でなければならない」と強調し、その上で、医療の専門家2人と裁判官の同意が必要になる可能性にも触れた。

 「死を選ぶ権利」は近年、欧州などで是非の議論が進み、医療従事者が致死薬を患者に投与する「積極的安楽死」、医療従事者から処方された致死薬を患者自らが飲む「自殺幇助(ほうじょ)」、延命のためだけの措置をやめる「消極的安楽死(尊厳死)」といった分類がある。