坂本勇人(C)日刊ゲンダイ

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 これが近未来の巨人打線と、胸を張る球団関係者もいる。

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 昨8日のDeNA戦。阿部慎之助監督は「7番・遊撃」に中山礼都(22)、「6番・一塁」に秋広優人(21)をスタメンに抜擢し、「8番・右翼」の浅野翔吾(19)とともに若手野手を打線に並べた。優勝争いが佳境に入る「勝負の9月」に大胆な用兵で周囲を驚かせたが、約1カ月ぶりの先発出場となった中山に弾き出されたのが、坂本勇人(35)である。

 直近6試合で19打数4安打の打率.211。4日に続いてスタメンから外れた坂本に、巨人重鎮OBの広岡達郎氏はかねてから「晩節を汚すな。レギュラーが務まらなくなったら、潔くユニホームを脱ぐべきだ」と引退勧告している。

「今季の坂本の成績を見れば、そういう声が出るのも仕方がない。93試合の出場で打率.235、5本塁打、26打点。これは、同じく長くチームの顔として巨人を牽引した高橋由伸、阿部慎之助が引退を決断した年の成績に酷似している。現役最後のシーズン、高橋由は77試合の出場で打率.278、5本塁打、21打点で、阿部は95試合で.297、7本塁打、27打点だった。2人とも代打の切り札として機能しながら、指導者の道を用意されて、結果的に引導を渡される形になった」

 とは巨人OB。「ただし」とこう続ける。

「高橋由も阿部も、いきなりバッサリとやられたわけではない。引退前年も高橋由は.286、6本塁打、29打点、阿部は.247、11本塁打、46打点。つまり、成績が急降下しながら、ユニホームを脱ぐまでに2年の猶予が与えられたわけです。坂本は昨年、22本塁打を打っている。功労者だから無碍にはできない。優勝争いのこの時期のスタメン落ちの意味は小さくないが、来年1年の猶予が与えられるはずです」

 本人が辞めるというなら別だろうが……。

  ◇  ◇  ◇

 そんな巨人では今季、ある種の異常事態が起きている。これまで「助っ人野手の獲得下手」と言われていたが、今季は「大当たり」しているのだ。いったい何が起きていたのか。フロントの足を引っ張っていた「原前監督の注文」とは。

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