中央・地方合わせて日本で200勝以上 欧州の名手はファンや関係者から信頼厚く
JRAの短期免許第1号となったL.クロップ騎手が、1994年6月25日にJRAで初騎乗してから、今年でちょうど30年となる。これまでにのべ70人以上の名手が海の向こうから来日し、日本の競馬を盛り上げてきた。そんな短期免許を取得したジョッキーたちの軌跡とは。欧州の名手C.デムーロ騎手は、JRAに所属するM.デムーロ騎手の弟にあたる。
C.デムーロ騎手は92年7月8日生まれ。09年にデビューを迎え、1年目から45勝を挙げると、翌年には153勝でイタリアリーディング2位と早くも頭角を現す。11年1月7日から3月6日まで、日本の地方競馬で短期免許を初取得。船橋のトップトレーナーだった川島正行厩舎に所属し、25勝を挙げたほか、同年2月12日にはJRAでの騎乗も経験した。免許期間を延長予定だったが、東日本大震災が発生したこともあり帰国。イタリアでは222勝を挙げて初のリーディングに輝き、トップジョッキーとしての地位を確固たるものにした。
その後はほぼ毎年、JRAの短期免許を取得。12年の京都牝馬Sでドナウブルーに騎乗してJRA重賞初制覇を飾ると、13年の桜花賞ではアユサンとタッグを組みJRA・GI初勝利。同レースの2着レッドオーヴァルに騎乗していたのは兄のM.デムーロ騎手であり、JRAのGI競走で“兄弟騎手ワンツー”となるのは史上初の快挙であった。以降も、17年ホープフルSでタイムフライヤー、18年阪神JFでダノンファンタジー、22年エリザベス女王杯でジェラルディーナを白星に導くなど、これまでにJRA通算195勝(うち重賞13勝)。日本のファンにもすっかりお馴染みのジョッキーとなった。
もちろん、日本以外でもトップクラスの活躍を続けている。近年はフランスを拠点に騎乗しており、20年はソットサス(Sottsass)、23年はエースインパクト(Ace Impact)とのコンビで凱旋門賞を2勝。日本馬が欧州やドバイに遠征する際、スポット騎乗を依頼されるケースも多く、関係者からの信頼も厚い。実際に22年のドバイSC(首G1)では、シャフリヤールの手綱を執り、白星を収めている。
これからも来日する機会や、日本馬とタッグを組むケースは数多くあるだろう。その際には兄のミルコ騎手とともに、日本競馬を盛り上げてくれるはずだ。