デビュー予定のマリエンプラッツ(写真手前、撮影:井内利彰)

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 8月11日の中京芝2000m、2歳新馬。今年最初に牝馬として芝2000mの新馬戦を勝ったのが、先週当欄でも取り上げたカムニャック(栗東・友道康夫厩舎)。1000m通過が1分4秒1というスローペースだった分、最後の直線2Fが10.9秒、10.9秒。パトロール映像で確認すると肩ムチが軽く1回入っただけで、ほぼノーステッキでこのラップを踏めるのだから、素質が違うとはこのことだろう。

 道中は遅いペースを折り合いを欠くようなことなく走ることができていたし、今後が楽しみな大物牝馬。2歳牝馬GIはマイルの阪神JFだが、2000mでデビューした本馬がこれからどんな路線を歩むかも注目を集めそうだ。

【8月17日(土) 中京芝1400m】

・セイルロケット(牡、父スワーヴリチャード、母スプリングゲイル、栗東・橋口慎介厩舎)

 母系にはJRAの芝で4勝を挙げたサトノグラン(父ハーツクライ)がいる血統。父スワーヴリチャードの産駒はホープフルSを勝ったレガレイラや京王杯2歳Sを勝ったコラソンビートなど、距離の守備範囲は広い印象を受ける。

 本馬は「体型的にも気性的にも短い距離が合うスピードタイプ」と橋口慎介調教師。その言葉通り、7月18日の坂路では4F52.2秒と速い時計をマーク。8月1日のCWでは案外の動きだったが、翌週には課題を修正。8月8日のCWでは追われてからしっかり伸びて、6F79.5秒、3F36.9秒、1F11.6秒と素晴らしい時計をマークしている。

【8月18日(日) 中京芝1600m(牝)】

・マリエンプラッツ(牝、父ハービンジャー、母ゴルトキルシェ、栗東・橋口慎介厩舎)

 おばに未勝利デビューから3連勝で秋華賞に出走したサトノダムゼル(父ディープインパクト)がいる血統。3歳の半兄ゴールドサーベル(父レッドファルクス)は今夏に函館芝1200mの1勝クラスを勝っている。

 本馬は7月12日のゲート試験合格後も栗東に在厩。7月18日の坂路での追い切りは4F53.3秒をマークするも、ラストが13.5秒要して併せ馬も遅れていた。それがCWでの追い切りになると動きが一変。8月8日のCWでは坂路で遅れていたセイルロケットに先行して先着。6F80.1秒、3F37.1秒、1F11.5秒をマークしている。8月7日にはDコース芝馬場をキャンターで駆け抜けているが、この時のフットワークが抜群。実戦でどんな走りを見せてくれるか楽しみだ。

・ランフォースマイル(牝、父サトノダイヤモンド、母サンキュースマイル、栗東・渡辺薫彦厩舎)

 祖母スマイルトゥモロー(父ホワイトマズル)は2002年オークスでGIを制しており、母系には2015年AJCCを勝ったクリールカイザー(父キングヘイロー)がいる血統。

 本馬は7月11日にゲート試験を合格。7月31日のCW追い切りは3頭併せの真ん中に位置していたが、4コーナーでは一番外へ出すと、抜群の手応えで最先着。6F85.1秒と全体時計は遅かったものの、3F37.6秒、1F11.2秒は優秀。1週前追い切りとなる8月7日の坂路でも後半2Fが24.9秒と終いしっかりした動きを見せており、出走態勢は整った。

・ビップデイジー(牝、父サトノダイヤモンド、母ローズベリル、栗東・松下武士厩舎)

 母系にはAJCC、京都記念を勝ったダンビュライト(父ルーラーシップ)や東京新聞杯を勝ったブラックスピネル(父タニノギムレット)がいる血統。本馬は2023年セレクトセール1歳にて、5200万円(税抜き)で落札されている。

 本馬について「動きがキビキビしていて、走りが軽いですね」と松下武士調教師。8月7日のCW追い切りはレースでも騎乗予定の幸英明騎手が跨り、新馬との併せ馬。追走して外を回ったにもかかわらず、楽な手応えで先着。6F83.9秒と全体時計はさほど速くなかったが、ラスト1F11.7秒は追えばもっと速いラップになったかなという感じ。体調面もすこぶる良好といった印象を受ける。