パリ五輪に“緊急事態”、サッカーパラグアイ戦「先発予想」 内野貴史を追加招集へ…初戦2つの鍵【現地発】
内野は前日に合流予定
大岩剛監督率いるU-23日本代表は7月24日(日本時間25日)にパリ五輪グループリーグ初戦パラグアイ戦に臨む。
初戦前日までメンバーの入れ替えを余儀なくされた大岩ジャパン。離脱する半田陸は、22日の非公開練習で古傷のある左腓骨を再び骨折したとみられる。本人の無念さはいかばかりか計り知れないが、それでもパリ五輪初戦は24日で変わらない。
大岩剛監督は23日の練習後のミックスゾーンで「我々はこっちに来てなにか新しいこと、突拍子も無いことをやろうと言うスタイルではやってきていない」と語った通り、メンバー起用は堅実でこれまでの流れを踏襲したものになるはず。その言葉を踏まえ、17日に行われた親善試合フランス戦から半田がプレーした左サイドバック(SB)のみを大畑歩夢に変更した。左SBでは、半田に代わり前日に合流する内野貴史もプレーするが、いきなり初戦の先発に起用することは現実的では無いと考える。ただ、2戦目以降は大畑の出来と、対戦相手の分析次第で内野が先発する可能性は決して低くはない。
鍵となる点はいくつかあるが、フランス戦ではばらつきの見られた選手たちのコンディションがどこまで均一になっているか。Jリーグ組のほとんどはフランス戦前日深夜に合流、一度だけ練習を行い試合に臨んだ。時差、疲労、暑さを考えても試合を行うだけで大変だったはずだ。
一方で海外組のなかでも状態にばらつきはあった。例えば小久保玲央ブライアンは移籍の関係で、ボールを扱う練習をほとんどできずに14日からこのチームで練習を始めた。かと思えば山本理仁、藤田譲瑠チマなどはプレシーズンの合宿中で練習試合もこなしてから合流していた。フランス戦後、ここまで6日間の練習を見ても長時間は行わず、対人など負荷のかかるメニューを行なった日は特に練習時間を短く切り上げている。勝ち上がることで長丁場になることを想定し、集中してトレーニングすることによって、選手たちは疲労を溜めずに状態を試合に向けて調整したはずで、この調整力が1つ目の鍵になる。
ついで対戦相手パラグアイの、堅守速攻に対し日本はこれまで通りボール保持率をあげることで試合を支配していくサッカーを志向。ただ、上手くいかなかったらその場でどのように変化させるのか、フランス戦でも「もう少し割り切っても良かった」と藤尾翔太ら攻撃の選手たちは見ていたようで、そのあたりをどう状況をみてコントロールしていくか。アンカーを務める主将、藤田のプレーにも注目していきたい。(了戒美子 / Yoshiko Ryokai)