事務所としても所属する女優の家がないのは大問題のため、水商売関係に強い不動産と提携している場合がほとんど。彼らは“ワケあり人間”には慣れているし、女優も安心して任せられることから、仕事が原因で家探しを断念するケースは稀だ。

◆“水商売マンション”と呼ばれているマンションも

 ただし、どんなに頑張っても審査が厳しい物件にはなかなか住めないのが現実。

 事務所に入っていないセクシー女優も、審査がユルく、同業者が利用するような物件を選ぶことが多い。ゆえに“水商売マンション”と呼ばれている某系列マンションがあるが、そこを渋々選ばざるを得なかった人たちがいるのも確かであるため、「強い希望でソコに住んでいるわけじゃない」「ここしかなかったのよ!」なんて嘆く人々が一定数いるとか……。

◆実家住まいの女優たちの割合は?

 実は、“実家住み女優”の割合が全体で2割程度いる。親公認セクシー女優や、親御さんがあまり詮索するタイプではなく、一緒に住んでいるけどほぼシェアハウス状態のような家庭だと、実家に住みながら女優業をこなせる。

 私が昔現場で会った女の子は、両親が「家賃さえ入れてくれたら何の仕事をしていても構わない」というタイプであり、彼女は女優とオトナのお風呂屋さんを掛け持ちしていた。仕事については言及されず、家に入れるお金は月5万円。あとは好きに使えるらしい。つまりガッポガポの丸儲け状態なので、「いくら貯金があるのかな?」ということをつい考えてしまった。

 彼女のように、交通の便がいい場所に実家があって、引っ越しや審査の手間を考えるならわざわざ1人暮らしをせずとも生活ができる。親御さんとのしがらみがなく、快適に今の状態で働き続けられるなら実家を出る必要性がないのだろう。18歳ですぐ家を出た私は当時、実家住まい女優さんの話を聞きながら「羨ましい」と素直に思ってしまうのだった。

ストーカー被害のリスクを考えると…

 一般の会社に勤めるサラリーマンたちとはワケが異なる、セクシー女優のおウチ事情。ストーカー被害のリスクなどを考慮するとセキュリティが甘い物件にも住みづらいので、都心部に住むならそれ相応の家賃を覚悟せねばならない。

 セクシー女優は、高収入なぶんデメリットやリスクが多く、必要経費と言わんばかりのお金は当たり前に飛んでいく。人より多いお金をもらえる仕事だが、こうした悩ましい問題は生活の部分にも出てくるから、セクシー女優はやっぱり大変な職業だ。

文/たかなし亜妖

―[元セクシー女優のよもやま話]―

【たかなし亜妖】
セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。