福岡戦で奮闘した昌子。写真:滝川敏之

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 2024年6月22日に開催されたFC町田ゼルビアとアビスパ福岡の一戦は、試合の流れが時間帯によって変化するゲームだった。前半の15分までは町田が攻め込めば、前半の最後のほうは福岡がチャンスを掴むといったように、どちらにも得点機はあったのだが、実際にピッチで戦った町田のDF昌子はどう感じていたのか。

 それが気になったので、本人に質問してみた。「福岡戦は勝てたなという想い、負けなくて良かったという気持ち、どちらが強いですか?」と。昌子の回答は以下の通りだった。

「両チームとも感覚は一緒のはずです。勝てたなと。僕はそっちやし、福岡さんもそう考えていると思います。こういう試合ってそんな感覚ですね。少なくとも、負けなくて良かったというゲームではなかった」

 ある意味拮抗した試合だった。“たられば”になるが、町田が攻め込んだ立ち上がりの15分に1点でも決めていれば、こうした展開にならなかっただろう。その感想をぶつけると、昌子も「もちろん、そうですよね」と同意してくれた。
 
「福岡さんからしたら、最初の15分を凌いだから前半の後半にペースを掴めたわけで。前半の頭は間違いなくうちのペースで、後半になると相手のセットプレーが増えた。どっちに転んでもおかしくないゲームでした」

 プレーした選手の感覚がリアルに分かる、貴重な証言だった。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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