貯金箱に「1日500円」を入れ続け、ついに「100万円」になりそうです! 夫に「早く銀行に預けないと税金がかかるんじゃない?」と言われたのですが、本当に預ける必要はありますか? できれば手元に置いておきたいです…

写真拡大 (全2枚)

将来の蓄えや旅行資金の確保などさまざまな理由から、いわゆる「500円玉貯金」をしている人もいるでしょう。500円玉貯金ではお金を自分で貯金箱などに入れ、だんだん重くなっていくため、お金が増える実感を得やすいものです。 こうした貯金箱のお金は「タンス預金」に該当します。タンス預金は金融機関に預けずに自宅に保管するお金のことですが、配偶者などから「タンス預金には税金がかかる」などと言われたことがある人もいるかもしれません。 詳しく見ていきましょう。

毎日500円貯めると5年半で100万円貯まる

毎日500円貯めるのは決して簡単ではありませんが、継続することでまとまったお金になります。単純計算では、毎日500円を貯めていくと、1ヶ月(30日)で1万5000円、1年間(365日)で18万2500円になり、だいたい5年半ほどで100万円が貯まります。
 

タンス預金はいくら貯めても税金はかからない

「タンス預金には税金がかかる」と聞いたことがある人もいるかもしれませんが、タンス預金はいくら貯めても税金はかかりません。これは金額には関係ないので、タンス預金が1万円でも、100万円でも、1000万円でも同様です。
「タンス預金には税金がかかる」と言われる理由には、相続税が関係しています。もしも故人がタンス預金をしており、それを相続人が受け取った場合、タンス預金もほかの預貯金と同様に相続財産として相続税の計算に含めなければなりません。
そのため、もしも「故人が持っていた預金ならともかく、タンス預金はそのままもらってもバレないだろう」と、こっそりとタンス預金を自分のものにすると、脱税につながります。
「タンス預金には税金がかかる」と認識している人は、このような相続税逃れは厳禁という話と混同しているのかもしれません。
 

タンス預金にはリスクもある

タンス預金は自分がする分にはいくらしても税金上の問題はありません。とはいえ、タンス預金自体にはいろいろなリスクがあります。
まず考えたいのは防犯面です。家に多額の現金を保管していることが他人に知られてしまうと、盗難に入られたり、詐欺の標的にされたりする危険性があります。
また、思わぬ災害などにも気をつけたいところです。例えば、銀行にお金を預けていた場合、地震や火事があったとしても預金は減りません。しかし、タンス預金の場合は焼けたり消失したりしたお金は取り返せません。
 

タンス預金よりも銀行に預けた方が、少ないが利息も付く

タンス預金は税金がかからないものの、お金が増えることはありません。一方、銀行に預けると利息が付きます。昨今は銀行の金利も上がってきていますので、従来よりも金利で得られるお金は少ないながらも増えてきています。
とはいえ、現状では預ける金額が100万円ほどではあまり大きな利益は得られません。例えば、みずほ銀行の普通預金金利は0.020%です(2024年6月時点)。100万円預けても利息は1年間で200円しか付きませんので、あまり利息に期待はできないでしょう。
 

まとめ

タンス預金は手元にお金があるので、貯蓄のモチベーションが上がったり、すぐに現金として使えたりといったメリットもあります。また、タンス預金は自分で持っている分にはいくらしていても税金はかかりません。
ただし、タンス預金を使った相続税逃れはしてはいけませんし、タンス預金には盗難や災害のリスクもあります。500円玉貯金の貯金箱を手元に置くのは自由ですが、本記事で紹介した注意事項も忘れないようにしておきましょう。
 

出典

国税庁 財産を相続したとき
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー