マーメイドSに出走予定のラヴェル(撮影:下野雄規)

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 本記事ではnetkeibaオリジナルAIが推奨する本命候補3頭を特筆すべき過去の傾向とともにご紹介します。

 今週の重賞競走は日曜日のマーメイドステークス(GIII)のみとなりますので、京都競馬場で行われるマーメイドSを取り上げます。まずは過去の傾向から。

 過去10年のマーメイドSでの前走距離別成績を見ていきます。過去10年のマーメイドSでは、前走1800mに出走していた馬が7勝2着5回3着5回と良績を残しています。次いで、好結果を残しているのが前走2000m組で2勝2着2回3着1回となっています。過去10年のマーメイドSは全て2000mで行われていますので、それと同じもしくは近い距離を経験していた馬が有利になると言えるかもしれません。

 続いては、過去10年のマーメイドSにおける前走クラス別成績です。過去10年のマーメイドSでは意外にも前走で今回よりも格下のレースに出走していた馬が結果を残しています。特に前走で3勝クラスに出走していた馬が7勝2着3回3着1回と結果を残しており、単勝回収率も163%と高い数値となっています。過去10年のマーメイドSは全てハンデ戦となっています。よって、前走で条件戦に出走していた馬は斤量の恩恵を受けやすく、それを活かして好走していると考えられます。

 一方、前走が重賞だった馬は1勝2着4回3着6回。馬券に絡む可能性がないわけではありませんが単勝回収率6%、複勝回収率も57%と低調な数値となっています。馬券に絡んだ11頭の内、8頭が重賞で3着以内の実績を持っていました。前走が重賞だった馬については、それまでの実績から重賞でも通用する事をすでに示している事が重要と言えそうです。

 それでは早速ですが、今週のマーメイドSでAIから導き出された月曜日時点での本命候補3頭をご紹介します。

◆前走の敗因明確な本命候補

ラヴェル

 デビューから2戦2勝でアルテミスS(GIII)を制した実力馬。そのアルテミスSではリバティアイランドを負かしての重賞制覇ですから、非常に価値の高い勝利だったと言えます。翌年のクラシックではオークス(GI)で4着。先行勢には苦しい展開でしたが、道中3番手追走から直線では一旦先頭に立つ見せ場十分の走り。差しや追い込み勢が上位を占める中で、果敢に先行して掲示板を確保したのは着順以上に評価できる内容だったと言えます。

 前走の中山牝馬S(GIII)では11着。これまでの実績を考えれば負けすぎのように思えますが、レースでは4角で前に進路がなくブレーキをかけるような場面がありましたし、直線でも進路を変えながらの追い上げで力を出し切っての敗戦とは言い切れません。苦戦傾向にある前走重賞組にはなりますが、重賞での好走実績がありますしノーチャンスではなさそうです。重賞でも通用する能力は証明済みですし、スムーズに走れば変わり身を見せてくれるのではないでしょうか。

マリネロ

 前走の弥彦S(3勝クラス)では、外枠(8枠15番)から上手く内へと潜り込み、道中は距離ロスを最小限に抑える競馬を見せていました。しかし、直線では伸びずバテずという内容で9着。直線は内目の馬場に傷みが目立っているように思えましたし、上がりの速い決着になった事も本馬には不利な材料になったかもしれません。

 1勝クラスや2勝クラスを勝った時は速い上がりを求められにくい小倉でしたし、ゴールドシップ産駒である事も考えれば瞬発力が要求される舞台では分が悪いのかもしれません。そういう意味では今回の京都内回りに条件が替わるのは好材料と言えます。前走の敗戦で斤量にも恵まれるでしょうし思わぬ激走があるかもしれません。

ジュリアバローズ

 前走のパールS(3勝クラス)ではスタートで出遅れるロスがあり、道中のペースも上がらずに苦しい競馬を強いられていました。それでも勝負所から徐々に追い上げると、直線でもいい反応を見せてクビ差の2着と連対は確保。スムーズさを欠いたり展開に恵まれなかったりする中での結果でしたし、負けたとは言え内容自体は十分に評価できるものであったと思います。

 過去10年のマーメイドSでは、前走でパールSに出走していた馬が好成績を残しているのは本馬にとってプラス材料となります。特に前走のパールSで3着以内だった馬が良績を残しており、10頭が出走し4勝3着1回。複勝率は50.0%、単勝回収率454%、複勝回収率194%と極めて優秀な成績になっていますので、狙う価値は十分にある1頭と言えるのではないでしょうか。