テストステロンが少ない男性は早死にしやすいという研究結果
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男性の主要な性ホルモンであるテストステロンは生殖器の発達において重要なほか、筋肉や骨量の増加、体毛の成長といった男性の二次性徴でも大きな役割を果たしています。西オーストラリア大学の研究チームが主導した新たな分析では、テストステロンの値が低い男性は早死にしやすいという結果が明らかになりました。
Associations of Testosterone and Related Hormones With All-Cause and Cardiovascular Mortality and Incident Cardiovascular Disease in Men: Individual Participant Data Meta-analyses: Annals of Internal Medicine: Vol 0, No 0
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Low testosterone in men associated with an early death - new study
https://theconversation.com/low-testosterone-in-men-associated-with-an-early-death-new-study-229726
研究チームは被験者を少なくとも5年間追跡した11件の研究データを使用し、テストステロンの値が寿命に及ぼす影響について分析しました。対象となった被験者は合計2万4000人以上であり、いずれの研究も質が高いものだったとのこと。
男性の血中テストステロン濃度は年齢によって変動し、一般的に若い頃が最も多く、加齢と共に少なくなっていきます。一般的な血中テストステロン濃度は20〜30代の男性で300〜1000ng/dL、40〜50代の男性で200〜700ng/dL、60代以降で100〜600ng/dLといわれています。
分析の結果、ベースラインの血中テストステロン濃度が213ng/dL未満の男性は死亡リスクが高いことが判明しました。研究ではすべての死因にまたがった死亡リスクが分析されましたが、テストステロン濃度の低い男性の主な死因は心臓病だったとのことです。
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研究には関与していないシェフィールド・ハラム大学の生化学上級講師であるダニエル・ケリー氏は、興味深い点として「心臓病の根底にあるのと同じプロセスが勃起不全に寄与する可能性があること」を挙げています。
勃起不全は心臓病の症状よりもはるかに早期に起こることが多く、現在または将来的な心臓病の初期兆候として機能するとのこと。そして、テストステロンは勃起の機能に大きな影響を与えることが知られているため、テストステロン濃度と心臓病には関連性があるというわけです。
しかし、テストステロンが減少する原因は加齢だけではなく、慢性疾患などの要因によって減少するケースもあります。今回の研究では、「なぜテストステロン濃度が減少しているのか」の原因については調査していないため、死亡リスク増加につながる慢性疾患によってテストステロン濃度が減少したのか、テストステロン濃度の減少が死亡リスクを増加させたのかはわかりません。
しかしケリー氏は、テストステロン濃度の減少と死亡リスク増加の関連性を解明する手がかりとして、「前立腺がん患者に見られる状況」を挙げています。前立腺がん患者には、がんの進行に応じてテストステロン濃度を大幅に下げる薬が投与されますが、この治療によって前立腺がんが改善する一方で心臓発作や脳卒中のリスクが増加するという研究結果が報告されています。
ケリー氏は、「テストステロン濃度の低さは病気のマーカーかもしれませんが、ある程度は明らかに将来的な病気の発症の一因でもあり、それが死に至る可能性もあります」とコメントしました。
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テストステロン濃度の低下を防ぐためには、健康的な生活を送って太りすぎに気をつけることが重要だとのこと。実際にテストステロン濃度が低下してしまった場合、テストステロンの補充療法が心臓病などのリスク軽減に役立つ可能性があるという証拠が増えていますが、正確な影響を知るにはさらなる研究が必要だとケリー氏は結論付けました。