この記事をまとめると

■MT車ではシフトノブの交換がセッティングの鉄板として身近だ

■軽いシフトノブと重いシフトノブの違いを解説

■シフトの長さによってもフィーリングが変わる

シフトノブでフィーリングが激変!

 MT車のシフトノブの交換は、わりと身近なセッティング(チューニング)のひとつ。三菱ではランエボ用の純正オプションで、重量調節式シフトノブ(内蔵される8枚のウエイトで重量を92〜170gに調整、ねじ径がM10mm・ねじピッチ1.25なら他車にも流用可能)を用意していたほどで、重さの変更、長さの調整で操作フィーリングを自分好みにセットアップできるのが面白いところ。

 では、シフトノブの重さや長さが変わると、どうフィーリングが変わるのか。簡単にまとめてみよう。

・シフトノブの重さが変わると……

 純正のシフトノブは、本革、樹脂、アルミ、チタンなどで条件が変わるが、だいたい80〜100gが標準的。

 それに対し、社外品のヘビーウエイトシフトノブは、400g、500gといった重さがある。シフトノブが重たくなると、慣性が働いて、軽い力でギヤが入りやすくなる。

「なんかシフトレバーの動きが渋い」、「動きが引っかかる」、といったフィーリングを改善するなら、重量の重いシフトノブがいいかもしれない。

 反対にシフトノブが軽くなると、ニュートラルまでの戻りは早くなる。細かい感触も伝わりやすくダイレクトな印象に。また、軽いぶん、大きな振動を受けてもギヤが抜けにくくなるので、ラリーカーなどでは軽いシフトノブが好まれる。

 重いシフトノブは滑らかな動きで、軽いシフトノブは繊細なフィーリング。掌でポンと押したり引いたりしてシフトを動かしたい人は重いシフトノブ。しっかり握って操作する人は軽いシフトノブとの相性がいいかもしれない。ただ、どちらが自分にマッチするかは、いくつか試してみるしかない。

・シフトノブの長さが変わると……

 シフトノブの長短は、てこの原理、モーメントの問題。

 支点から力点までの距離が伸びれば、シフト操作が軽くなる。また、ステアリングからシフトノブまでの手の移動距離が短くなるのもメリット。

 一方、シフトノブが短くなれば支点からの距離が短くなるので、操作量が減り、より素早いシフトチェンジが可能になる。その代わり、レバレッジ効果は弱くなるので、シフト操作は重くなり、必要な力は大きくなる。

 このように、重さも長さもそれぞれメリット・デメリットがあり、どちらがいいかは好みの問題。

 ひとりひとり、手の大きさも違えば、筋力も、体格も違う。シフトノブを上から握るか、横から握るかでも好みが違うだろうし、レーシンググローブをするかしないかでも話は変わってきてしまう……。

 基本的には滑りにくくて、握りやすい形状ならば、重さと長さはフィーリング次第で選べばいいわけだが、重さや長さが変われば、必ず使い心地に変化があるので、友達のクルマなどにも乗らせてもらって、一番しっくりするシフトノブを探してみるといいだろう。